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「副業禁止の不安」シリコンバレーで働く日本人がアメリカを選んだ理由

6/26(水) 11:51配信

PHP Online 衆知(Voice)

テクノロジーの発達により仕事がなくなりつつある現代では、キャリアに多様性を持たせることが重要である、と米シリコンバレー・エンジニアの酒井潤氏は語る。自身が働く米シリコンバレーをヒントにして、これからのキャリア戦略を考察した。(取材・構成:中崎史菜)


※本稿は『Voice』6月号、酒井潤氏の「なぜ、シリコンバレーで働くのか(下)」を一部抜粋、編集したものです。

社会の変化から置き去りにされる危険

シリコンバレーで働き始めてから十数年。アメリカと日本の労働観は、大きく異なると感じています。一般的に日本の労働者は「やりがい」を求めますが、アメリカの労働者にとって大事なのは「給与」です。

その理由は、豪遊したいからではなく、好きなことができるから。アメリカでは中学生でも学校で株の授業を受けており、働くことは人生を豊かにするための投資である、という考え方が根底から身についているように思います。

では、どんなスキルがあれば、お金を上手く稼いでいくことができるのでしょうか。

しかし、そもそも、これだけ変化の激しい時代では、1つの職業にこだわる生き方は危険です。

アメリカでは配車アプリのウーバーができてから、たった2~3年で多くのタクシー会社が倒産し、運転手が大量解雇されました。ホテル業界でも、民泊を仲介するエアビーアンドビーの登場で同じことが起きています。

農業革命や産業革命では、1000年単位で徐々に社会が変化しましたが、現在は1つのテクノロジーの影響によって、自分の仕事がなくなる時代です。

1つの肩書きで一生食べていけると思い込んでいると、自分の能力の可能性を狭めるだけでなく、社会の変化から置き去りにされかねません。

近年、AIによって多くのジョブ(仕事)がなくなると話題になっていますが、実際、アメリカの会計士たちは「自分たちの仕事は減るだろう」と話しています。

電子決済が完全に普及してしまえば、帳簿をつけるという仕事そのものがなくなるでしょう。学校の先生も毎年同じ授業を繰り返しているだけなら、オンライン・ビデオか、ロボットに代行させることも考えられます。

私が、ここで述べたいのは、どの仕事がなくなるかという個々の未来予測ではなく、そうした変化をどう捉えるかという危機感のほうです。

AIやロボットが本当に人間の仕事を奪うかどうかは別として、実際にそうした危機感をバネにして行動に移す人はどれだけいるでしょうか。

「いまの仕事は天職だから、ほかの仕事なんて考えられない」「別の仕事を始めると、自分が学んで来たことが無駄になる」「1つのことをやりながら、他のことに集中できない」……。そんな言い訳をして、毎日の繰り返しから抜け出せなくなっていませんか。

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最終更新:6/26(水) 12:01
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