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フラット35「不正利用」の全手口を不動産投資家が暴露

6/26(水) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 近年、不動産投資における様々な不正行為が明るみになっている。そんな中、今年5月に住宅金融支援機構が提供するフラット35が不正に利用されている問題が発覚した。かつて、不動産業者の営業マンによる提案を受けたことがあるという不動産投資家が、その手口の詳細を明かす。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

 「フラット35の不正問題は、業界の人間には今さら感がありました。昔から少しローンに詳しい人間ならみんな、悪い業者がやっているだろうと思っていました」

 20件以上の区分マンションを所有する不動産投資家、東京マンションオーナーズ代表の依田泰典氏はこう嘆息する。

● 途中で投資用になっても住宅ローンのまま

 今年5月、住宅金融支援機構がフラット35の不正利用について調査を開始した。フラット35とは、同機構が民間金融機関と提携して提供する、最長35年の全期間固定金利住宅ローンのことだ。

 住宅購入に関するローンには大きく2つある。自分が家に住む居住目的に融資されるのが住宅ローンなのに対し、収益を得る投資目的には不動産投資ローンが適用される。

 両者の差は審査と金利にある。審査については、不動産投資ローンが個人の返済能力に加えて物件の収益性なども勘案されるため、住宅ローンよりも厳しい傾向にある。また、通常は不動産投資の方が金利は高く設定されている。逆にいえば、金利の低い住宅ローンで投資用物件を購入すれば、その分だけ儲けも大きくなるのだ。

 審査時には居住用と証明するため住民票の提出などが求められるが、仮に所有者が少しだけ住み、転勤をきっかけに賃貸へ出したとしても、住宅ローンはそのまま継続される。

 そんな抜け穴を利用し、住宅ローンであるはずのフラット35が不動産投資に使われていた不正が次々明るみに出た。きっかけは、投資用シェアハウス販売において、スルガ銀行を舞台として預金通帳の残高偽装などの問題が発覚したことだ。その後、各メディアが不動産投資の現状を調査する中で、この不正がクローズアップされた。

● 営業マンも自ら投資物件を不正取得

 実は依田氏のもとにもかつて、不動産販売業者から不正を前提とした投資用物件購入の提案を持ちかけられたことがあり、断った経験があるという。

 融資先の候補は、(1)借り入れが少なくローンが通りやすい低所得者、(2)不動産投資に造詣のあるベテラン、セミプロ、複数所有者などの高所得者、という2パターンに分かれる。

 (1)は朝日新聞のスクープがきっかけで詳細が判明した。もともと物件を買えないような低所得層・若年層に対し、不動産販売業のトップ営業マンがセミナーやネットで勧誘して、フラット35を悪用し物件を販売していた。

 だが依田氏によれば、他にも自分で投資用物件を保有したいと考える不動産営業マンが、自らフラット35を積極的に使っていたという。なぜなら、営業マンが顧客に提案をする際により説得力が増すからだ。

 とはいえ、彼らも普通のサラリーマン。通常なら一定の資産がない限り投資用物件の購入は難しい。にもかかわらず、物件を所有する営業マンがいるのを不思議に感じた依田氏が、その営業マンに尋ねてみると「実はフラット35を活用した」というケースが後を絶たなかったそうだ。

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最終更新:6/26(水) 6:01
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