ここから本文です

25歳で巨人1軍出場を掴んだ男と妻の下克上物語

6/26(水) 6:00配信

東洋経済オンライン

 献身的な優香さんに支えられ、増田選手は1年目からレギュラーを掴み、大活躍。この年のリーグ優勝に大きく貢献した。

 「このまま頑張れば、プロ野球選手も夢じゃない」

 2人はよりいっそう、夢への想いを強くした。

 その年のシーズンオフ、優香さんはプロポーズを受けた。交際から1年が経った日のことだった。優香さんは、増田選手と結婚して、プロ野球選手になるまで、そしてなった後も支えると心に決めた。

 しかし、この時2人はまだ21歳。増田選手が在籍する独立リーグは年収60万円程度と、野球だけで生活することは不可能だった。

 増田選手との結婚を両親に切り出した優香さんは、父・誠司さんの猛反対にあう。かつては増田選手と同じ夢を追いかけていたからこそ、野球で食べていくことの難しさを、誠司さんは痛いほどにわかっていた。

 それを優香さんから聞いた増田選手は、小さくこぼした。

 「俺、野球やめるよ」

 野球を諦め、安定した仕事に就く。野球と優香さんを天秤にかけた増田選手は、優香さんを選んだ。

 しかし、優香さんは、もどかしさを抑えきれなかったという。増田選手の覚悟はその程度だったのか。そう思わずにはいられなかった。

 「最後にもう1年だけ一緒に頑張ろうよ」

 その言葉に、増田選手は奮起した。

 1週間後、増田選手は誠司さんに決意を伝えに行く。もう1年だけ。芽が出なければ野球を諦める。増田選手の覚悟を感じ、娘との結婚を許してくれた。

■背水の陣で挑んだ夫婦の1年

 2015年2月に2人は結婚。同時に、増田選手の勝負の1年が始まった。

 開幕直後の4月、福岡ソフトバンクホークス3軍との交流戦が行われた。この試合で増田選手は攻守にわたって大活躍し、プロのスカウトに大きくアピールした。

 その後も、増田選手は着実なアピールを続けた。ドラフト会議の直前、その年の有望選手を特集する雑誌には、「積極的な走塁と堅守が光る内野手 献身的な打撃でNPBでも活躍の予感」と掲載される。さらに、プロ野球の複数球団から調査書が届いた。ドラフト指名はほぼ確実だと思われた。

 そして、運命のドラフト会議当日。

 優香さんは徳島で行われたパブリックビューイングに参加。もし増田選手が指名されれば、優香さんの「プロ野球選手の奥さんになって支える」という夢も叶う。

3/4ページ

最終更新:6/26(水) 8:24
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい