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プロ野球広報のある1日。勝っても負けても、静かで平穏が最良の仕事。

6/26(水) 12:01配信

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 プロ野球界と距離がある方々から、よく問われる。

 「シーズン中、広報って何をしているのですか?」と。

【秘蔵写真】ヤンチャそうな中田翔に、ダル、吉田輝星、大谷、清宮の高校時代。

 世間一般には、なじみが少なく、想像しがたい職業なのだろうと推測している。

 球団広報に転職をして3年目になる。チームに軸足を置いての業務が増えて2シーズン目。札幌ドームでのホームゲーム、東京ドームや地方での主催試合は基本、同行する。公式戦のビジターゲームの遠征はほぼ半数の試合、同行する。

 公式戦中のベースとなる勤務形態を、大まかに列挙しただけでは、まだ謎の職業だろう。他11球団とは異なるかもしれないが、北海道日本ハムファイターズの広報の業務を一例として紹介してみようと思う。

試合開始7~8時間前には出勤。

 まず札幌ドームでのホームゲーム、平日の午後6時開始のナイターをモデルとする。試合開始の約7~8時間前の午前10時~11時の時間帯に出勤する。

 ホームゲームは、ビジターに比べてウエートトレーニング場など練習施設も充実している。ビジターゲームの遠征では、宿舎から球場入りして、そのまま試合前の練習で調整してプレーボールがかかる。

 個別で練習する潤沢な時間が取れないため、その分だけ練習メニュー、量などを補うために選手たちも、ホームゲームは球場入りが早い。

 テレビ、新聞社、出版社など各媒体からインタビューなど選手の個別取材の申請がある。それに対応するのが、上記のホームゲームのナイターの試合前になる。各媒体、各選手の意向を踏まえて取材スケジュールを調整し、機会を設定するのが、業務の1つになる。

 同時間帯に3~4カ所で取材対応をしていることも多々ある。遠征時には個別の取材機会を設定することが現実的に困難である。ホームゲームのナイター時に集約して対応するため、学校の時間割を作るようなマネジメント力が問われる。

試合前の囲み取材では小さな工夫。

 メディアの方々、選手からの異論は受け付けないが、ファイターズでは整理能力の高いF広報と、経験豊富なA広報が主導してスケジューリングしているため、円滑であると自負している。

 試合開始の約4時間前となる午後2時過ぎから、練習がスタートする。栗山監督は毎試合前に、三塁側ベンチ内で報道陣の取材に応じる。「囲み取材」と呼ばれるものである。

 栗山監督の周りを各局のアナウンサー、ディレクター、新聞記者の方々らが取り囲み、監督がその質問の受け答えをする。戦略、選手起用の意図など多岐に渡る。

 通常、要す時間は約10~15分程度である。野球の話題から時に脱線もするアットホームなやり取りとなる。

 この時間は、広報としての業務はないが、少しだけ気を使うとすれば、栗山監督の視界の確保。監督はフリー打撃をしている選手をチェックしながら報道陣とコミュニケーションを取る。レアケースであるが、それを遮らないようにメディアの配置を整えることがある。ビジターゲームでも同様である。

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最終更新:6/26(水) 12:01
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