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出雲神話の世界に包まれる松江・八重垣神社で良縁を願う

6/27(木) 12:00配信

nippon.com

縁結びの神社として知られる島根県松江市にある八重垣神社。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が退治したという八岐大蛇(やまたのおろち)伝説ゆかりの地で、近くには古墳や遺跡も点在し、出雲神話の世界にいざなわれる。

「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠(つまごめ)に 八重垣つくる その八重垣を」

八重垣神社(松江市佐草町)境内の石碑に刻まれた言葉である。素戔嗚尊が詠んだという日本最古の和歌で、古事記や日本書紀にも記されている。

天上の国「高天原(たかまがはら)」から出雲に降り立った素戔嗚尊は、八つの頭と尾を持つ大蛇「八岐大蛇」を退治することになる。その際、いけにえとして差し出されそうだった稲田姫(いなたひめ)(※1)を助けるため、大杉の周りに八重垣を築いて隠した。見事退治した素戔嗚尊は稲田姫をめとり、その喜びを上の歌で表現したという。そして、八重垣の近くに構えたという新居が、現在の八重垣神社の土地であると伝わっている。

「怪談」などで知られるギリシャ生まれの文学者ラフカディオ・ハーンは、一時期、松江で暮らした経験があり、日本名の「小泉八雲」は、出雲国にかかる枕ことば「八雲立つ」にちなむという。

(※1) 奇稲田姫・櫛名田比売(くしなだひめ)ともいう

良縁到来の遅速が占える鏡の池

素戔嗚尊と稲田姫を祀(まつ)る八重垣神社は、縁結びの神社として名高い。特に「鏡の池の縁占い」は、女性参拝者を中心に人気を集めている。

拝殿の後方に、奥の院「佐久佐女(さくさめ)の森」がある。八重垣が築かれた場所と伝わり、古杉が生い茂る神秘的な雰囲気は、まさに身を隠すのにうってつけだ。森の入り口から少し進むと、こぢんまりとした鏡の池が姿を見せる。八重垣に身を潜めている間、稲田姫はこの池の水を飲み、水面に姿を映して鏡代わりにしたという。

稲田姫の霊魂が宿った池には不思議な力があり、縁占いができる。社務所で占い用の紙(100円)を購入し、池に浮かべてその上に硬貨をそっと乗せる。紙が15分以内に沈めば「良縁近し」、30分以上かかると「縁遅し」。また、沈む場所が近ければ近くの人と、遠ければ遠方の人と結ばれるという。

恋愛や結婚ばかりでなく、受験や就職、商売などさまざまな「縁」を占おうと、池の周りでは老いも若きも「早く沈んで…」と紙をじっと見つめている。

八重垣神社には、2本の椿が寄り添うように成長し一体となった夫婦椿(めおとつばき)が境内3カ所にあり、夫婦の愛の象徴として神聖視されている。

他にも、国の重要文化財で宝物収蔵庫に展示される壁画「板絵著色神像(いたえちゃくしょくしんぞう)」や、個性的な顔をした来待(きまち)石のこま犬など見どころは多い。

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最終更新:6/27(木) 12:00
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