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新世界1位バーティの急上昇----それは単なる“始まり”となり得る [女子テニス]

6/27(木) 12:03配信

テニスマガジンONLINE

 23歳のアシュリー・バーティ(オーストラリア)は、4月まで一度もWTAランキングのトップ10位内に入ったことはなかった。その彼女が月曜日から、ナンバーワンとなった。1月まで、グランドスラム大会で準々決勝まで勝ち進んだこともなかった。その彼女が今月から、フレンチ・オープン・チャンピオンとなった。そして来週から、彼女はウインブルドンの優勝候補となる。

MOVIE|バーティ対ゲルゲス、ネイチャーバレー・クラシック 女子シングルス決勝(1分16秒)

「私にとって目まぐるしい数週間だったわ」とバーティは語り、「目まぐるしい年だった」とも言った。

 間違いなくそうだ。

 バーティが披露した技術とオールラウンドな能力、並びに、部分的にはテニス選手としての活動を休止してプロクリケット選手としてプレーしていた期間のおかげで彼女が精神的にも非常にしっかりしていることを鑑みれば、この急速な上昇は彼女にとって長い疾走の始まりにほかならない。

 彼女は6月8日に起きたフレンチ・オープンにおけるブレイクに続き、セットを落とさずに勝ち抜いたバーミンガムのタイトルを携え、1年前に3回戦で敗退したウインブルドンに12戦連続勝利の勢いに乗って向かっていく。

 バーミンガムでの勝利により、バーティはWTAランキングで現USオープンとオーストラリアン・オープンのチャンピオンである大坂なおみ(日清食品)を追い越し、トップに躍り出た。

「子供のときには、いつもそれ(世界一)を夢見るものだけど、それが現実になるというのは信じられないようなことだわ」とバーティは世界1位になることについてコメントしていた。それは、1973年にコンピューター・ランキングが導入されて以来、ほかに26人の女性のみがやってのけた偉業だ。

 2019年を世界15位で始めたバーティは、グランドスラム大会に出場した過去17回のケースで一度4回戦に進出したことがあるだけだった。バーティ本人が、今年の最初に立てた目標はトップ10入りだったと公言している。

 それなのに、彼女が今季ここまでにやってのけたことを見てみるといい。ツアー最多の36勝(41試合のうち)、ツアー最多の3タイトル(それぞれを違うサーフェスで獲得)、オーストラリアン・オープンで初のグランドスラム大会準々決勝進出で、それからフレンチ・オープンでの優勝。

 ツアーでの辛い営みから離れる必要があったために1年半テニスの活動を休止したあと、バーティがランキングも何もない状態でツアーに戻ってきたのは約3年前のことだ。

 彼女は18歳のときにテニスから離れ、短い期間、スポーツを変えてオーストラリアでクリケットをプレーしていた。彼女のテニスの能力自体は、一度も問題だったことはなかった。彼女は結局のところ、2011年ウインブルドン・ジュニア・チャンピオンだった選手であり、グランドスラム大会の女子ダブルスで5度決勝に進出しているのだ(準優勝4回、昨年のUSオープンで優勝1回)。

「(当時の)彼女はただ、すべてに圧倒されていた。非常に若かったんだ。当時、彼女にかかっていた期待は大きく、そういったことにあまりうまく対処できていなかった。だから彼女がやった最良のことは、テニスから離れ、自分の人生において自分が何をやりたいと思っているか見てみるということだったんだ」

 バーティのコーチであるクレイグ・ティザーがこう言ったのは、彼女がフレンチ・オープンに優勝した日のことだ。

「テニスから離れ、それから戻って、彼女がここ3年にやってきたようなレベルでプレーできるというのは、かなり驚くべきことだ。そして彼女はその不在だった期間に成長しもした。その成長は続いている。それはいまだ進行中なんだ」

 コートの外で、バーティはメンタル面を助けるパフォーマンス・コーチのベン・クロウとのトレーニングを行っている。

「私はよりよい人間になった」とバーティは自分を評価した。

「それとともに、私はよりよいテニスプレーヤーにもなったの」

 コート上ではティザーが、上達と技のバラエティを求めるバーティ―の不断の探索を助けている。彼女のバックハンドスライス、強力なサービスとフォアハンド、すぐれたネットプレーはすべて、彼女にどのサーフェスでも誰に対してでも勝つチャンスを与える方程式の一部なのだ。

 バーティが今、プレー中に感じている自信は、彼女の現在の好調ぶりの大きな要因ともなっている。そして、それが続くことを疑うべき理由はどこにも見当たらない。

「ことがより容易になる訳ではない。グランドスラム大会に勝ったからといって、これから出ていくたびにすべての試合に勝つなどということにはならないのだから」とティザーは言った。

「そして彼女は、そのことを知っている」

 現時点でのバーティは、コートに出ていくたびにすべての試合に勝っている。もちろん、それが永遠に続くことはないが、彼女は自分の画期的出来事のリストに新たなものを加え続けるにふさわしい場所に位置しているように見える。

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

24th June 2019, Devonshire Park, Eastbourne, England; Nature Valley International Tennis Tournament; Ashleigh Barty (AUS) with her coach and her WTA World Singles No 1 Trophy that she won at the weekend (photo by Hongbo Chen/Action Plus via Getty Images)

最終更新:6/27(木) 12:03
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