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マンションが売れなくなった本当の理由

6/28(金) 12:13配信

Wedge

 「昨年の7月以降、首都圏のマンションの販売が不調をきたし、売れ行きの鈍さが目立っている。富裕層、投資家が購入を控えている」と慎重な見方をするのは東京カンテイで長年、マンションの販売動向をウォッチしてきた井出武・上席主任研究員だ。

 その理由としては投資コストやリスクに見合わないほどマンションの価格が高くなり過ぎていることを挙げる。また先行きを見ると「消費増税、貿易摩擦などが予想され、買う側にとって今までは自分に関係ないと思っていたことがリスクと感じられるようになってきて、消費マインドにも影響しているのではないか」と分析している。

業界に激震!契約率は60%にとどまる

 マンションに関する販売データを見ると明らかにマイナスのものが多い。不動産経済研究所が発表した首都圏の5月のマンション市場動向によると、契約率は60%にとどまり、前年同月比より2.2ポイント、前月比でも4.3ポイントそれぞれ下げた。

 契約率が70%を割り込むと販売状況は良くないとされるが、60%程度まで下がるのは異例のことだとみている。超高層(20階以上)のタワーマンションは45.1%で前年同月(67.1%)を大きく下回った。昨年までは人気だったタワマンにも陰りが見られるようだ。

 同研究所が発表した2018年度(18年4月から19年3月まで)の首都圏のマンション販売実績を見ると、初月契約率は前年より6.8ポイント下落して62.0%で3年連続70%を割り込んでいる。販売在庫は19年3月末で8267戸、前年の6498戸より1769戸増えている。こうした数字を見ると、どうやら首都圏のマンションは供給過剰の状況になりつつあり、売れ残りが増加してきていると言える。

それでも価格は下がりにくい構造

 昨年の首都圏のマンションの平均取得価格は5927万円だった。販売の売れ行きが良くないのならば、価格を下げればよいと思うのだが、井出研究員によれば、そう簡単には下がらないという。なぜならば、建設作業員の人件費が上昇するなどコストが上がっているため、売る側はなかなか下げられないという。

 さらにリーマンショック以降にマンション業界の寡占化が進み、メジャーセブンと呼ばれるマンション大手7社の販売比率が高く、JV(ジョイント・ベンチャー)物件も多いため、値下げ競争に陥りにくい構造になっている。

 またマンション大手業者は「どこもオフィスビル、ホテルなども手掛けており、これが絶好調で利益を上げているため、マンションが多少売れ残ったからと言って、価格を下げて無理をして売る必要がない」という事業性に余裕がある。特に都心部のオフィスは空室率が少なく、新築オフィスがすぐに埋まる状況のため、マンション部門が多少悪くても会社全体としては増収増益状態にある。

 しかし、郊外物件や駅から遠いため売れ行きの悪いマンションでは、実質的な値下げになる家具付き住宅で販売することや、分譲での販売を諦めて賃貸住宅として貸し出し、どうしても売れ行きが悪い場合には別の業者に卸して損失を最小限に抑えることなども行われることがあるという。だが、これはあくまで例外的なようで、現状では大きな値崩れは起きていないようだ。

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最終更新:6/28(金) 12:13
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