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投資信託で3千万円が200万円に…私はこうして定年資産を溶かしました

6/29(土) 8:01配信

デイリー新潮

「老後2千万円騒動」の発端となった金融庁の報告書は、「2千万円の赤字」を根拠に「投資などで資産形成を」と提言している。

 収益悪化が目立つ昨今の銀行は、生き残りをかけて個人向けの金融商品販売が最重要課題。あの手この手で勧誘の手を伸ばしてくる。

「毎日のように銀行から電話が来ますよ」

 とは、昨年退職したばかりの元サラリーマン男性。

「“是非お会いしたい!”とか“投資セミナーに来ませんか!”とかね。この間も金を下ろしに銀行に寄ったら、すかさず寄ってきて別室に連れ込まれ、外貨建て預金を勧められました」

「投資はしない」との哲学を持っているこの男性は首を縦に振らなかったが、

「誘いに乗ってしまう気持ちはよくわかります。退職金が入って、これまで持ったことのない大金を持っていますし、大銀行がこれだけ熱心に勧めるのだから損はしないだろう、と思ってしまうのが普通ですよね」

 今回の騒動に煽られ、退職間近、あるいは直後のシニア世代が、大挙して投資に走る――そんな光景が目立つことになりそうなのだ。

 ところが、

「そんな誘いには絶対に乗ってはいけません」

 ときっぱり否定するのは、『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)の著者・経済ジャーナリストの荻原博子さんである。

「当たり前ですが、投資にはリスクが付き物であることを忘れてはいけません。昨年発表された金融庁の調査はそれをよく表していました」

デフレには現金

 その調査とは、国内29の銀行で投資信託を購入した個人客について、購入時と昨年3月末時点での評価額を比較、集計したもの。実に客の46%の運用損益がマイナスだったという結果が出たのである。

「1年後の今では、円高が続いて株価が下がってしまっていますから、半分以上が損をしている結果になるでしょう」(同)

 というから、この調査だけなら、投信で得ができる確率はサイコロを転がす程度でしかないと言えるのだ。続けて、

「私の体感では、iDeCo(イデコ)の利用者のうち、8割は元本割れしていると思います」

 と述べるのは、全日本年金者組合東京都本部の芝宮忠美・副委員長。

 iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことである。60歳までに毎月、一定の掛け金を支払って金融商品を買い、60歳になると年金としてそれを引き出せるというもの。この制度を使えば、掛金、運用益について税が優遇されるし、積立金を受け取る時も控除の対象に。国が旗を振り、現在、123万人が利用しているが、

「ここ1~2年、組合に“iDeCoで投資したのに、元本割れしてしまった。どういうことなのか”という相談が急増しているのです。それまでと比べ、3倍ほどに増えた印象ですね。うちの息子も加入しましたが、元本割れしているとか。皆さん、国が勧めているのに騙された、という思いがあるようです」(同)

 国が関わろうと投資は投資。実際に8割が損しているかはともかく、決して「安心の商品」とは言い切れないのは事実であろう。

「投資をするなら、そのための教育を受けていなければダメなんです」

 とは、前出の荻原さん。

「今の高齢世代はそれを受けていないので、リスクがあることを理解していない人が多い。大幅な余裕があるならともかく、老後のための大事なお金を危険に晒すのは愚かです」

 そして、現在の経済環境自体、到底、投資には不向きと言うのだ。

「右肩上がりならともかく、米中の貿易戦争やブレグジットなど、国際情勢が不安定で株が下がっていますよね。逆にデフレで強いのは現金。デフレ局面では貨幣価値は上がっていますから、今は現金をそのまま持っておくのが最も得なんです」

 人生の最終章を、丁半博打に賭けるワケにはいかないのである。

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最終更新:6/29(土) 8:01
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