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辻希美が炎上して気付いたインターネットの画期性「アンチも客になる」【中川淳一郎の令和ネット漂流記】

6/30(日) 20:01配信

FINDERS

昭和にはなかった平成と令和の風物詩といえば、ネット炎上である。そのほとんどはどうしようもないもので、意味もなく単に暇人の一瞬のムカつき感情を大勢で一瞬にして爆発させ、その当事者を数日間奈落の底に突き落とす。組織の場合であれば、会議に次ぐ会議を行い、対応を検討。推敲に推敲を重ねた公式文書を発信してもそこに粗をみつけ、再び炎上させる。ほとんどの場合、炎上させる側の人生とはさほど関係がないことが多いのだが、公の場に我が貴重な御意見様を書くことができるようになった無辜の民は自身の意見が世直しになるとでも思っているのか、単に誰かを叩くのが趣味かのごとく、日々炎上案件を見つけてはその祭りに参加している。

日々発生する炎上は、まさにその瞬間、ないしは数日間の娯楽として消費されるものの、当事者にとっては深い傷を残すこともある。

これまで、無数の炎上騒動が発生したが、これらの歴史を一つ一つまとめて振り返るのは、その時代の人間の性を示すことになるのではないか――。そんなところから当連載は開始したが、初回で紹介したいのは辻希美である。厳密にいうと彼女は「炎上」はしていないが、「炎上文脈」で取り上げられることが多いので、その実態が何かをここでは報告する。

ブログに押し寄せた誹謗中傷の嵐に心を痛める日々

2009年春、アメーバブログでブログを開始した辻は、当初は楽しそうにブログを更新していたものの、途中から弱音を吐くようになったという。辻に近しい関係者と会うとそんな話をしていた。具体的には、ブログを「ヲチ」(ウオッチ)する人間が大勢いて、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)に、悪口を散々書いているのを発見し、心を痛めてしまったというのだ。当時のアメブロは今ほどコメントのチェック機能は確立されておらず、「縦読み」で悪口を書くとそれが反映されるなどしていた。

「私の毎日を積極的に書くよ! ファンのみんな、楽しみにしていてね!」――辻はモーニング娘。時代にファンに接するかのように振る舞っていた。いや、当時は芸能人としての姿を見せるだけだったが、プライベートな姿を見せるだけに一歩踏み込んだ接し方といえよう。

しかし、結果は日々押し寄せる誹謗中傷の嵐。途中からコメント欄はなくし、ヘッダーに使っていた辻の顔写真が消え、イラストになったりもした。前述の関係者は「辻ちゃんがネットの書き込みに心を痛めているようです」とも言っていた。今でこそアメブロの「殿堂入り」の辻だが、当時はイヤになってやめてしまうのでは……といった危惧もあった。

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最終更新:6/30(日) 20:01
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