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日本人が知らない、フィンランド「世界一の教育」の秘密

6/30(日) 17:01配信

現代ビジネス

教育の目標は学力を高めることではない

 フィンランドは北欧の小国だが、2000年代にPISA(15歳児童の学習到達度国際比較)のランキングでトップクラスになったことをきっかけに、その教育が日本でも注目されるようになった。それ以後、フィンランドの教育は「学力が高い」という視点から取り上げられることが多かった。

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 しかし、フィンランドの教育は、「学力」を高めることを目標にしているわけではない。

 私には、フィンランドで生まれ育った24歳の息子がいる。私が体験したフィンランドの教育の第一の良さは、教育が子どもを中心にして構想されていることだ。

 子どもは、一人ひとり異なる。すべての子どもは、あるがままでかけがえがない、とする肯定的な子ども観から出発する。 教育の目標は、学力を高めることではなく、子ども一人ひとりが自分らしく発展し、自分らしく生きていくことである。

 第二の良さは、教育がシンプルであることだ。

 入学式、始業式、終業式、運動会、修学旅行、謝恩会などの行事がない。ヘアスタイルや服装に関する校則がない。学力テストや偏差値、受験、塾がない。部活や先生の長時間労働がない。

 学校との連絡にはメールシステムが使われ、学校からのプリント類がない。 日本でよく聞く「地域・学校・家庭」という考えはなく、地域は学校に関わらない。

 したがって、青少年育成会や学校運営協議会、地域学校協働本部、コミュニティスクール等の煩雑な地域組織がない。

 このように学校がシンプルなことは、親にとってストレスが少ない。

 教育は、小学校から大学まで無償である。小中学校では、教科書・教材も無償。給食は高校まで無償で、経済的にも楽だ。

 さらに、国が17歳以上の市民に、学習ローン、給付型奨学金、家賃補助から成る学習支援を行う。返済の必要があるのは学習ローンだが、保証人は国なので、親や親族が保証人になる必要はなく、返済できず自己破産する心配もない。

 北欧は税金が高いと言われるが、フィンランドでは教育や福祉などに還元されていて、不正使用や流用が少ない。また実際の税率は、居住自治体や年収によっても異なるので、一概に高いとは必ずしも言えないと思う。

 最近は、実は北欧と日本の消費税収のレベルはそれほど差がない、という説も耳にする。

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最終更新:7/2(火) 17:20
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