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イベントに参加し「広島においしい魚を食べに行きたい」と思った!

7/1(月) 5:00配信

商業界オンライン

  アンテナショップの人気商品として、「鮮魚」がクローズアップされつつある。

 先日も取材した銀座にある「ひろしまブランドショップTAU」では「採れたて鮮魚」を毎日、広島から直送、販売しているが、ここで6月下旬に「瀬戸内ひろしま おまかせ握り」の限定提供が行われ、用意した48食分が予約だけで完売した。

  この「瀬戸内ひろしま おまかせ握り」イベントは、今年3月に続いて2回目。2017年から始まった鮮魚販売をさらに盛り上げようと企画されたもので、“予約のとれない寿司店”として知られる「四ツ谷 後楽寿司 やす秀」の二代目・綿貫安秀氏を迎え、同館の1階にある「ひろしまCAFE」で広島の旬の魚をその場で握ってもらい、提供する。

  何がすごいって、主旨とは少しズレてしまうかもしれないが、日頃は諭吉さま2枚は用意しないと食べられない名店の寿司が、厳選された7貫1500円(税込)で味わえるというサービスっぷり。しかも銀座のド真ん中で! 告知たちまち予約で満席、というのも大いにうなずける。

  果たしてその寿司はいかに? と、これが素晴らしくないわけがなく。この日用意されたのは、広島から届いた旬の7種の魚。キジハタ(あこう)、広島サーモン、石鯛、平目、カマス、紋甲イカ、穴子。綿貫氏によると「味付けはシンプルに煮切りしょうゆで握らせていただいています。白身はお塩を振って1日寝かせていますが、カマスは塩締めして酢で締め、1日寝かせてから皮目をあぶり、棒寿司にして仕上げました。紋甲イカは広島の魚屋さんに相談したところ、現地では食感を硬めに出していると聞いたんですが、こちらではもうちょっとねっとりさせたかったので、寝かせて、包丁で繊維を壊してから握りました。穴子は江戸前の仕事をさせていただき、うちのタレなんですが、しょうゆと砂糖で炊いて味が付いています」と、聞いてるだけでウットリする職人の仕事の数々。

  そして、いよいよ、実食。「どれから食べたらいいですか?」と綿貫氏に伺うと「イカか白身から」とおっしゃるので、まずは紋甲イカを。もぐもぐもぐ……江戸前の酢が効いたシャリと濃厚な味わいのイカがなんと絶妙な! 食感がしっかりしつつも、でも、決して硬い、のではなく、厚みを感じて満足感あるイカだ。

  続いて、今日のメインだという、キジハタ(あこう)。広島でもなかなか食べられない高級魚なんだそう。私も初めて食べるが、もぐもぐもぐ……。こ、これは! おいしい! 味が複雑で奥深く、噛めば噛むほどいろいろな味わいが口の中に広がる。むぉ~~、なんたる幸せ。こんなおいしいお魚がこの世にいるとは! 広島の海、瀬戸内海、やるなっ! などと1人つぶやく。

  続いて石鯛。「おいしいので、もっと広く知っていただきたいです」と広島の方から説明を受けたが、本当だ、味が濃い。なのに、上品な味わい。

  驚いたのは広島サーモン! 日頃食べてるサーモンにあるような妙な脂っぽさがなく、それでいて味わい深い。隣で食べていた方も「なかなか食べられない味ですねぇ。柔らかい」と堪能されてる風。広島サーモンは、山間部の吉和を源とする清流で親魚から採卵された稚魚を淡水で育て、さらに瀬戸内海で育てた広島生まれの広島育ちなんだという。

  最後に穴子のねっとりとした味わいに「くぅ~っ」と声を小さくあげて7貫、瞬く間に完食した。

  平目 カマス 正直、これまで「広島=鮮魚」のイメージが薄かったが、これは「広島においしい魚を食べに行きたい」と思わせる。「広島お寿司ツアー」をしたくなる。綿貫氏いわく「広島の魚を実際に扱ってみて、白身が多いなと思います。僕らだと紅白じゃないですけど、盛り付けたときに色が必要だと思いますが、こうして握って並べると、白身が多いのも素晴らしいなと感じます。しかし、日頃、東京のお店には広島のものが入ってきても、カキなどが多くて、サーモンなどはほとんど知られることがないですね」とのこと。

  一般のお客さま方の声は、「広島にサーモンがあることも、キジハタ(あこう)も初めて知りました。また参加したいです」「広島の食材を使ったイベントをもっと開催してほしい」「大変美味でした。アナゴが特に。サーモンは苦手なのですがおいしくいただきました」と、日頃食べられない広島の海の幸に舌鼓を打ち、新たな発見を楽しんでいた様子。アンテナショップとしてショップそれ自体の価値を上げ、また広島の魅力を十分発信できている。

 寿司を握った綿貫氏はまた「慣れない場所(アンテナショップ)で握るわけですが、広島の食材を触らせていただく、いい体験です。日頃、産地訪問をしたり、産地から送ってもらったりもしますが、こうして広島とご縁ができて、広島の食材を使う機会も増えました」と話し、産地と、東京の職人共にウインウインの関係が成立している。ちなみにTAUと綿貫氏をつなげたのは、料理評論家の山本益博氏。「広島のお魚に興味を持っていただける方で、これがないとできないとか言わない方ということで」綿貫氏を紹介したのだとか。

 この人気イベントは今後も続ける予定だとか。それぞれ季節ごとに旬の魚で行っていくそうで、「ひろしまブランドショップTAU」のホームページなどをまめにチェックしてほしい。ちなみに寿司と共に広島の酒「純米吟醸 醉心 稲穂」「白鴻 特別純米酒(緑ラベル)」「龍勢 涼風生生 特別純米無濾過酒」「一代弥山 純米スパークリング」も提供され、地酒発見イベントでもあった。

  鮮魚を提供するアンテナショップというと、最近では1年前から販売を始めた「日本橋 長崎館」などもあるが、産地直送販売からさらに一歩踏み出し、未開拓だった首都圏の消費者に“ブランド力”という付加価値を持って提供することに、まずは広島が成功しているように思えた。

 

和田 靜香

最終更新:7/1(月) 5:00
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