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知ればおもしろい!「シンデレラ」のルーツ~世界にどうやって広まったのか?

7/1(月) 12:01配信

PHP Online 衆知(歴史街道)

古代エジプト、聖書からディズニーまで

世界中で最もよく知られたプリンセスの物語「シンデレラ」。しかし、あらすじは知っていても、その起源は意外と知られていない。
シンデレラは、いつ、どこで誕生し、どのように広まっていったのか。
膨大なコレクションを、その系譜とともにまとめた『世界のシンデレラ』を上梓した、ギネス世界記録認定のシンデレラコレクターが解説する。

川田雅直 Kawata Masanao
シンデレラコレクター。株式会社アトランスチャーチ代表取締役社長。およびクリエイティブディレクター。アンティーク絵本のコレクターでもあり、各地でコレクションの展示会を開催している。シンデレラコレクターとして2018年、ギネス世界記録に認定。

物語の原型は、さらに古くから存在していたといわれており、古代エジプトから中近東、アジア、北アメリカと、類話が世界中に分布していたことがわかっている。
「シンデレラ」は、時代や地域によって姿を変え、様々なバリエーションで伝承されてきたのである。

シンデレラ物語の基本構造は、だいたい次の5つのポイントから成り立っている。
1)継母と、その連れ子である姉二人のいじめによる試練
2)ヒロインの援助者の出現
3)舞踏会、宴会といった非日常的な舞台
4)花嫁になるためのテスト
5)結婚というハッピーエンド

これを踏まえ、現在、最も古いシンデレラ物語といわれているのが、古代エジプト時代に生まれた「ロドピスの靴」である。
これは、古代ギリシアの歴史家ヘロドトス、ストラボン、アイリアノスらの記述により、紀元前5~6世紀には存在していたことが明らかになっている。
物語は、ドーリカという北ギリシアの裕福な家庭に生まれた少女が海賊に誘拐されることから始まる。奴隷として売られ、娼婦として働いていたドーリカは、身請けされて庭園で水浴びをするために靴を脱いだところ、靴をワシに持ち去られてしまう。ワシは首都メンフィスまで飛んでいき、アマシス王の膝に偶然靴を落としたことがきっかけで、王はドーリカを探し出し、2人は結婚するというもの。
「ロドピス」とは、「バラ色の頬をした金髪女性」の意味で、美しく成長したドーリカをこう呼んだ。
細かい部分の違いはあるが、シンデレラ物語の要素を備えている。

聖書の中にもシンデレラ譚は存在する。旧約聖書の「エステル記」は、両親を亡くした美貌のユダヤ人少女エステルが、王妃へとのぼりつめ、さらにはユダヤ人を救うという物語で、宗教色の強い内容となっている。
ヨーロッパにおいては、多くのシンデレラ譚が流布していたが、キリスト教が説く清貧の思想の影響で、いわゆる「玉の輿婚」は広く受け入れられなかった。
やがて近代になると、読み物としての作品が出てきた。その中で重要とされるのは、イタリアの詩人・バジーレによる民話集『ペンタメローネ』に収録された「灰かぶり猫」である。
『ペンタメローネ』は、ヨーロッパにおける初の本格的な民話集で、「灰かぶり猫」はヨーロッパのシンデレラ物語の原点ともいわれている。

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最終更新:7/1(月) 12:12
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