ここから本文です

「医者には絶対なりたくない」 長岡高時代に挫折した山形大生が女医の命を奪うまで

7/1(月) 17:30配信

文春オンライン

「中学時代の彼はクールぶってプライドが高く、近づき難い部分がありましたけど、本当はピュアな“恋する少年”だったんですよ」(中学時代の同級生)

【写真】亡くなった女医・矢口さん

 ◆◆◆

 全国の市町村でさくらんぼ生産量第一位を誇る山形県東根市。収穫期の真っ只中である今年5月19日、同市の眼科医・矢口智恵美さん(50)が自宅マンションで頭部を殴られ、殺害された。山形県警は6月12日、殺人と住居侵入の疑いで山形大学4年の加藤紘貴(23)を逮捕した。

「携帯電話の通話履歴などからも2人の接点は見つかっていません。また犯行直前に別のマンションを物色していることからも矢口さんを狙ったものではないと見られる。加藤は『覚えていない』と容疑を否認しており、動機の解明には至っていません」(社会部記者)

独身の資産家として知られた矢口さん

 東京で4人きょうだいの家庭に生まれた矢口さんは日本医科大を卒業後、複数の病院勤務を経験。眼科クリニックを開業したのは07年のことだった。

「以前、東根市の公立病院で数年間の勤務経験があり、『風光明媚な土地柄に惹かれて引っ越してきた』と話していました。またこの地域は県内で唯一人口が増加している新興エリア。患者の需要も高く、将来性を見越して開業したのでしょう」(矢口さんの知人)

 独身の資産家として知られた矢口さんは、東京・板橋区に投資マンションを所有している他、株取引など資産運用に熱心だった。

女医の命を奪った青年の正体とは?

「先生が最後に店にやってきたのは事件の10日前。6月2日のさくらんぼマラソン大会に出場するといい、その日は猫ひろしさんのマラソンコーチを招き、“決起集会”を開いていました」(市内の居酒屋店員)

 何の罪もない女医の命を奪った加藤とは、どのような経歴の持ち主なのか。95年、加藤は新潟大学医学部を卒業した脳神経外科医である父と専業主婦の母との間に生まれた。小学校から高校までを過ごした新潟県長岡市内のマンションの住民が振り返る。

「加藤さんの一家が引っ越してきたのは、息子さんが小学校4年生くらいのとき。お母さんは音楽会に参加したり、近所の小学校で読み聞かせをやっていました。あるとき(山菜の)こごみを渡してあげたところ、お返しに『うちの主人、お酒飲まないから』って、高いウィスキーの瓶を持ってきてくれてね」

 前出の同級生が語る。

「加藤くんは自分から話しかけるタイプではないけど、話しかけたら笑顔で応じてくれる ので“紳士加藤”というあだ名で呼ばれていた。教室では一人で本を読んでいることが多く、ヤンチャな連中が騒ぐと、露骨にむっとした表情をすることもあった。成績はクラスのトップで『父親のような医者になりたい』と語っていましたね。卓球部のエースで県大会に出場するほどの腕前でした」

 10年3月、中学2年の終わりを迎えた加藤は、修学旅行で大阪・京都を訪れた。

「その日、僕は彼と同じ部屋に宿泊したのですが、夜寝ようとすると『ちょっと話あるんだけど』って恋バナを始めるんです。当時、彼は同じクラスの子が好きだったんです」(同前)

 中学3年時の文集で書き綴ったのは〈国立大医学部にストレートで入りたい〉という長年思い描いていた夢だった。

1/2ページ

最終更新:7/1(月) 21:27
文春オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事