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実は川重より巨大、三菱電機の「鉄道ビジネス」

7/1(月) 5:10配信

東洋経済オンライン

 今年1月6日の終電後、JR東日本(東日本旅客鉄道)が山手線内で“特別な”列車を走らせた。自動運転の試験と投影型ヘッドアップディスプレー(HUD)の視認性試験を行う列車だ。

【図解】三菱電機が手がける鉄道の主要分野

 運転士は発車ボタンを押した後、非常時を除き、駅に到着するまで運転操作を行わない。通常の車両と異なり、運転席前方の窓に投影型HUDが設置され、速度や加減速の状態を表示。これによって、運転士は視線を複数の計器に落とすことなく、前方の状態監視に集中できる仕組みだ。

 その試験車両には、JR東日本の関係者だけでなく、青色の作業服を着たスタッフが大量に乗車し、車両内のモニターや揺れ具合などをチェックしていた。彼らは皆、三菱電機の社員。JR東日本と共同で山手線車両に搭載されるさまざまな機器の開発を行い、試験車両に同乗してその性能を確認していたのだ。

 「車両を造らない鉄道メーカー」──。鉄道関係者の間で評されている総合電機大手・三菱電機の知られざる顔である。

■電機品でシェア6割

 電車には多数の電気機器が搭載されている。架線から電気を取り入れるパンタグラフ、取り入れた電気の電圧を制御するインバーター、電流の力で車軸を回転させる主電動機、電車を安全・確実に停止させるブレーキ制御装置、運転士の操作を車両の機器に伝える列車統合管理システムなど、例を挙げればきりがない。

 こうした車両用電機品の国内プレーヤーとしては、三菱電機、日立製作所、東芝の重電3社が大手。さらに東洋電機製造や日本信号、京三製作所などの中堅メーカーもしのぎを削るが、「当社のシェアはおよそ6割」と、三菱電機で鉄道ビジネスを統括する漆間啓専務は胸を張る。

 さらに同社は、線路への転落事故を防ぐホームドアや、線路上を走る多くの電車をセンターで集中的に監視する運行管理システムなども手がける。これらも含めると、三菱電機の鉄道関連売上高は約2000億円に上る。

 同社の連結売上高は約4.5兆円。産業用ロボットをはじめとするFA(ファクトリーオートメーション)システムや自動車用機器、エレベーター、電力システム、空調冷熱システムなどが経営の大きな柱であり、規模的に鉄道関連はメイン事業とはいえない。だが、国内で断トツのシェアを武器に海外での取引拡大を掲げ、鉄道関連を「成長牽引事業」の1つに位置づけている。

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最終更新:7/1(月) 10:22
東洋経済オンライン

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