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「代替ツナ」開発の米企業が10億円を調達、代替肉生産も支援

7/2(火) 12:00配信

Forbes JAPAN

植物由来のツナなどを製造する米グッドキャッチ(Good Catch)の親会社、ギャザード・フーズ(Gathered Foods)は6月26日、コンバーチブルノート(転換社債の一種)の発行により1000万ドル(約10億8400万円)を調達したと発表した。

同社はシリーズAラウンドでCPTキャピタルなどから920万ドルを調達。今回はその際の投資家が優先的引受権を行使したため、新たな投資家から出資を募ることはなかった。近くシリーズBラウンドでより多額の調達を行うことになる可能性が高いとみられている。

ギャザード・フーズの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のクリス・カーは、ニュークロップ・キャピタルとストレイドッグ・キャピタルが主導した今回のラウンドにコンバーチブルノートを選んだのは、調達を急ぐためだったと説明している。

植物由来の代替食品のメーカー(ビヨンド・ミート、インポッシブル・フーズなど)は、急増する需要への対応に苦労しており、それはグッドキャッチも同様だ。生産量を増やせないことが成長を妨げる要因になることを避けるため、ギャザード・フーズは今年第4四半期中の完成を目指し、オハイオ州に2000万ドル規模の生産施設を建設中。完成すれば自社製品に加え、植物由来の食品を手掛ける他社の生産を支援することもできる。

深刻な海洋危機

海の幸を味わうと同時に海洋資源を保護するという目標を掲げるグッドキャッチのチームは、深刻な問題への解決策の提供を目指し、植物ベースのタンパク質を開発した。

グッドキャッチが手掛ける製品には、いずれも原料に魚を使わないツナの「Plant Based Tuna(プラントベースト・ツナ、フレーバーは3種類)」や、クラブケーキなどがある。年内にはフィッシュフリーのバーガーを発売する予定だ。

一体なぜ植物由来のシーフードが必要なのかと疑問に思う人もいるかもしれない。世界中で消費される動物性食品10ポンド(約4.5kg)のうち、魚は4ポンドを占める。その多くは養殖魚だ。

そして、私たちは今まさに、海洋危機に直面している。世界の海洋資源の90%近くが乱獲や混獲などにより、「満限に利用」されているか「過剰利用または枯渇」した状態にあるのだ。科学者らは、このままでは世界の漁業は、2048年までに完全に崩壊する可能性もあると予想している。

こうした中でグッドキャッチは、水産物に対する世界的に大きな需要を満たすことが可能な立場にある。消費者にシーフードの味と食感、栄養をほぼ完全に再現した100%植物由来の食品を提供すると同時に、地球と不安定な海の生態系への影響を最小限に抑えることができる。

開封すればすぐに食べられるグッドキャッチの「ツナ」は、1パック約94gの便利なサイズで販売している。原料には植物由来のオメガ-3脂肪酸が含まれ、グルテン、乳製品、遺伝子組み換え生物は使用していない。藻類オイルは今後、オーガニックに切り替える方針だ。

この製品は水銀や有害物質を含まず、プラスチックやマイクロファイバーに関する心配もない。甲殻類アレルギーの人も安心して食べることができる。

質の高い植物由来のシーフードはほとんど生産されてこなかった中で、グッドキャッチと同様にこの市場で優位に立つことになると見込まれるのが、米オーシャン・ハガー(Ocean Hugger)だ。同社も近く、 植物由来のマグロに加えてウナギとサーモンの生産を開始する予定。私たちが海の再生を目指そうとするなら、世界にはより多くのこうした企業が必要になるだろう。

Michael Pellman Rowland

最終更新:7/2(火) 12:00
Forbes JAPAN

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