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ブーム直前!? タブラ奏者・ユザーンが語る「ベンガル料理」の魅力!

7/4(木) 12:13配信

GQ JAPAN

ベンガル料理の魅力

そうしてベンガル料理を下宿先で食べ続け、ときに屋台やレストランでも食べるようになるうちに、徐々に「あれ? そういえばこれ美味しい……かもしれないな?」と思うようになっていったという。いまや生まれ育った日本にいるときですら、その料理を欲し、わざわざレシピ本をまとめ上げるまでになったユザーンさんだが、いったいベンガル料理のどんなところに魅せられたのだろうか。

「圧倒的に好きなのは魚のカレーですね。ルイにしろ、イリシュにしろ、パプダにしろ、ベンガルの魚のカレーと米を一緒に食べることが好きなんです。ただ最初のころは、あの川魚特有のにおいや、皮のデロデロした感じが苦手でした。最初にコルカタに行ったときは3カ月くらいで音を上げて、もう二度と魚のカレーは出さないでくれ! って、ベジタリアンに転向したくらい。でもいまは、川魚をパンチフォロン(ベンガル地方のミックススパイス)やニゲラシード(黒いクミンと呼ばれるスパイス)で調理したあの感じが大好きになりました」

そんなユザーンさんは、コルカタ滞在期間に現地で料理を習ったこともあるそうだ。しかし、それを日本で再現しようとしても思うようにいかなかったという。そんなとき、ユザーンさんは石濱さんがつくるベンガル料理の美味しさを思い出したのだ。石濱さんは滞在先の家庭で食事を担当することで調理法を習得したのだそう。そのレシピは、どういった点で優れているのだろう?

「少なくとも『自分で作る』という条件では、石濱さんのレシピがいちばん合っていたんです。『パンチフォロン(入れすぎないぐらい)・ヨーグルト(結構多め)』なんて、指示はすごく大ざっぱなんですけど、ちゃんと最初の工程から教えてくれるので、なんだかんだ丁寧なんですよね。以前、インド料理を現地のお母さんに習いにいったときに、『おう来たか。仕込みは済ませておいたぞ』ってことがあって(笑)。そこがいちばん大事なんじゃないか……というところから石濱さんは教えてくれるんですよ。あとはやっぱりセンスがいい。こうしたら美味しくなる、というポイントを押さえているように感じます」

また、本書に掲載されているレシピのなかでは、日本で手に入りにくい素材や用意に手間のかかる素材などが、ほどよく日本風にローカライズされているのも魅力だ。もっとも特徴的なものは、石濱さんのオリジナルレシピである「ベンガル風からしレンコン」(p.32)だろう。ベンガル料理の特徴のひとつであるマスタードを粗挽きのココナッツとまぜ、それをレンコンではさみ揚げにしたものだ。現地では瓜などを用いて作られるレシピだが、それをレンコンに置きかえ、日本の「からしレンコン」に見立てている。

それ以外にも、日本ではなかなか手に入りにくく、作るのも一苦労のパニール(インドのカッテージチーズ)を厚揚げで代用するなど、作り手に対する気づかいもうれしい。日本人の口に合わせたアイデアも石濱さんならではだろう。

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最終更新:7/4(木) 12:13
GQ JAPAN

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