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春ドラマの男優ベスト3。ゲイ役の若手が輝いた中でも印象深いのは…

7/4(木) 8:47配信

女子SPA!

 毎週楽しみにしていた春ドラマもついに終了。今期はゲイがメインキャラクターとして登場する作品が多く、キャラによってはその特異で個性的な性質から俳優の腕の見せ所になった模様。若手からベテランまで見応えがありました。

 ゲイに限らず、その物語の世界に生きる人を気持ちよく演じてくれた俳優を、今期もドラマウォッチャー・林らいみが独断と偏見で選出。勝手に表彰してしまいます。

敢闘賞 磯村勇斗『きのう何食べた?』

『きのう何食べた?』(テレビ東京系列)でわがままなゲイ、ジルベールこと井上航を演じた磯村勇斗は達者なベテラン俳優に囲まれながら大健闘。

 井上航はひと癖もふた癖もある役柄です。人の薬指の指輪に気付くなどフェミニンな感性を持ち合せる上に、恋人に漫画の登場人物のジルベールのような美少年と思わせる魅力があり、その毒舌ぶりは主人公いわく天然の小悪魔なのか底意地が悪いかわからない人物。

 これだけ複雑な役を堂々と演じた姿が素晴らしかったです。ヒゲ面もだんだんかわいく見えてくるのは、彼の柔軟な演技力の賜物。

 たった3話の登場でそのキャラがまだ手探りにも見えたので、ぜひ続編を期待。彼ならさらにハマりそうな予感。もう少し彼のジルベール航を見てみたいです。

名演賞 泉澤祐希『わたし、定時で帰ります。』

『わたし、定時で帰ります。』(TBS系列)でプライドが高くて生意気なイマドキの新入社員・来栖をしっかり体現したのは泉澤祐希。

 ふざけた調子の「おつまるでぇす」に象徴されるように、会社をなめきった絶妙な小憎らしさ。先輩や上司に対して反抗的な姿勢を見せるものの、フッと表情が変えて気まずそうにしていたり、不安をちらつかせたり、プライドと自信のなさがないまぜになった心の機微をうまく表現していました。

 褒められたり励まされたりすると素直に嬉しそうな表情を見せ、かわいい子だなと思わせる愛嬌も。すべてが良い塩梅で、心地よく感じる演技でした。

最優秀名演賞 金子大地『腐女子、うっかりゲイに告る。』

 最優秀に選びたいのは、今期のドラマにおいてダークホースだった金子大地。『おっさんずラブ』(テレビ朝日系列/2018年)で演じた若者言葉を連発する新入社員と打って変わって、『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK総合)ではゲイの主人公・純の繊細な心をみずみずしく表現しました。

 ドラマ冒頭の男同士の大胆な濡れ場や、肉まん2つを女性の胸に見立てて興奮しようと息を荒げてもがく場面など、挑戦的なシーンを見事に演じきった彼。これらもさることながら、ゲイとして生きる人生を悲観したアンニュイな雰囲気が板につき、ときにザラつきのあるモノローグには不安定な心の様子を感じ取ることができました。

 そして、自殺をはかったときの苦しそうにポロリと涙を流す場面や、母に対して怒りをふつふつとさせて爆発させる場面など、怒りや悲しみを伴った感情表現が秀逸。言葉少ななキャラクターであるがために、その分、デリケートな心の動きが揺れ動く瞳で表現されていたことも見逃せません。今後の彼に注目したくなる熱演ぶりでした。

 この春、あなたを魅了したベストアクターも選んでみては?

<文/林らいみ>

【林らいみ】
フリーライター。大学院で日本近世史を研究した硬派の歴女。舞台・映画・ドラマが好物。観たい舞台があれば万難を排して劇場に馳せ参じ、好き勝手言っている。たま~に歴史系記事を書く。

女子SPA!

最終更新:7/4(木) 8:47
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