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バティスタ、メヒア……ドミニカ選手を変えたカープ・朝山東洋コーチのアドバイス

7/5(金) 11:03配信

文春オンライン

 その男は、尊敬と親しみからニックネームで呼ばれることがある。「カベサ・グランデ」。スペイン語で「頭の大きい人」という意味である。

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 これだけで、ドミニカ共和国から海を渡ってきた選手との絆の強さは想像に難くはないだろう。カープ二軍で来日当初からサビエル・バティスタやアレハンドロ・メヒアを熱血指導してきた朝山東洋打撃コーチである。

 1995年にドラフト3位でカープに入団、天性の打撃センスで将来の主砲候補と期待されてきた。しかし、膝の故障に苦しみ、2004年に現役を引退していた。以来、研究に裏打ちされた野球理論と飾らない人柄でカープ3連覇の強力打線に次々と逸材を輩出してきた。

 選手の信頼が厚い理由は、各選手にあったそれぞれのアプローチを持つことである。打撃フォーム、打球方向、ボールの待ち方、目的はひとつでも、選手が吸収しやすいアプローチを提供できるのである。

他のルーキーと同じように……バティスタへの熱血指導

 2015年、カープアカデミーからバティスタが来日した。朝山はその第一印象を語ることをためらわない。「バットが下から出るので、ベルトのゾーンは打てないだろうと思いました。高めの甘い球も打てないだろう、低めのボール球を振るだろう、そんな印象でした」。

 そこから、熱血指導が始まった。まずは高めの球を打てるようにしよう。練習もティー打撃から徹底的に高めに設定し、スイングの矯正も施した。チーム方針も、彼らを外国人選手としてではなく、他のルーキーと同じように鍛えていこうというものだった。

 通常メニューに加え、早出や居残りの練習もある。いつしか、朝山は彼らと通訳を介さずコミュニケーションをとるようになった。「メディオ=センター中心に(打っていこう)」「バモス=がんばれ」「アルト=高め(を狙っていこう)」。

 挨拶のみならず、野球用語も頭に入れ、選手にダイレクトにアプローチしていった。「コミュニケーションがとりたかったです。ちょっとした挨拶でも、そういうものが大事です。こちらがカタコトでスペイン語を話すと、向こうもカタコトの日本語で返してくれます。しかも、カタコトですから相手が集中して耳を傾けてくれますし、身振り手振りにも熱心に見入ってくれました」。

 パワーはあるが、粗さが目立つ。そんなバティスタの長所は認めながら、朝山は「彼なりのコンパクト」という境地を説いた。ステップをやや小さくして、バットの軌道が遠回りしないようにした。

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最終更新:7/5(金) 11:03
文春オンライン

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