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脳細胞を破壊され体中を食い荒らされてもなお寄生蜂を守り続けるテントウムシの末路【えげつない寄生生物】

7/5(金) 7:00配信

デイリー新潮

 ゴキブリを奴隷のように支配したり、泳げないカマキリを入水自殺させたり、アリの脳を支配し最適な場所に誘って殺したり――、あなたはそんな恐ろしい生物をご存じだろうか。「寄生生物」と呼ばれる彼らが、ある時は自分より大きな宿主を手玉に取り翻弄して時には死に至らしめ、またある時は相手を洗脳して自在に操る様は、まさに「えげつない!」。そんな寄生者たちの生存戦略に、昆虫・微生物の研究者である成田聡子氏が迫るシリーズ「えげつない寄生生物」。第9回は「テントウムシに寄生する蜂」です。

世界中で人気者の昆虫テントウムシ

 テントウムシは、コウチュウ目テントウムシ科に分類される昆虫の総称です。導入部でも紹介しましたが、テントウムシは英語圏では「Ladybug:レディーバグ、 聖母のムシ」と呼ばれ、農作物を守ってくれる益虫ととらえられています。日本では、テントウムシは「天道虫」という字を書きます。天道とは太陽の事です。テントウムシは太陽に向かって飛び立つという習性をもちます。そのために天道(太陽)に向かって飛ぶ虫ということでテントウムシと名づけられています。

 ゴキブリが近くにいたら「ギャー!」と叫んでしまう人が多いのに対し、テントウムシが近くにいてもほとんどの人は叫んだりしません。テントウムシを題材にしたアクセサリーや筆記用具なども見かけますし、一昔前は、結婚式の定番曲として「てんとう虫のサンバ」がありました。これが「ゴキブリのサンバ」という曲名だとしたらお祝いの席では受け入れられないことは確実です。それほどテントウムシは昆虫の中では、嫌悪感を抱かれにくいキャラクターなのでしょう。

 テントウムシは赤や黄色の色鮮やかな体色をもち、小さくて真ん丸な体です。そして、ゴキブリのようにすばやく動くことはほとんどなく、家の中に急に出現することもありません。このような見た目とおっとりとした特性に加えて、一部のテントウムシは農作物を荒らすアブラムシを大量に捕食してくれます。

 しかし、テントウムシと一口にいっても、その種類も様々でエサとなるものも大きく違います。そのエサとなるものは大きく分けて3つあり、アブラムシやカイガラムシなどを食べる肉食性の種類、うどんこ病菌などを食べる菌食性の種類、ナス科植物などを食べる草食性の種類がいます。肉食性の種が害虫のアブラムシなどを捕食するため世界中で重宝されてきたテントウムシです。そして、これらの種のテントウムシは農薬代わりに使用される生物農薬の1つとして活用されています。

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最終更新:7/5(金) 7:00
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