ここから本文です

本田圭佑の言語論「お金は未来のビジョンのためにある」

7/7(日) 8:15配信

GOETHE

サッカー選手 兼 監督 兼 投資家 兼 起業家・本田圭佑は、言葉を使うことで、自らをインスパイアし、 世界にサプライズを起こす。その脳には どんな言葉=「本田思考。」が隠されているのだろうか。

ひとつだけ断言できるのは、お金は目的ではないということ

僕は財布を持っていない。いつもクレジットカード1枚だけを持って生活している。メキシコでもオーストラリアでも現金を使った記憶がないから、少なくともこの2、3年は札もコインも持ったことがないと思う。

かといって、カードをバンバン使っているかというと、そういうことでもない。カードを使うのは、カフェでエスプレッソを飲む時くらい。オーストラリアでの移動はほぼウーバーなのでカード払いだが、カードそのものを出すことはない。

意外に思われるかもしれないが、僕は物欲のない人間だ。きちんと栄養管理された食事だったり、人前に出る時の衣装だったりと、プロとして必要なところにはお金をかける。でもそれがなければ、正直何でもいい。毎日コンビニ弁当でいいし、着るものは毎シーズン買い換えたいとも思わない。ハイヤーやリムジンで移動したこともある。快適ではあったが、必要だとは思わなかった。安全さえ確保できていればウーバーで問題ない。豪華な食事をして、ブランド品に身を包んで、リムジンやチャーター機で移動することが幸せだとは、全然思わない。

お金とは恐ろしいもので、どれだけ稼いでも満足することがない。僕だってそうだ。もともと「親に楽をさせたい」という気持ちでプロのサッカー選手になった。だが、もう十分親孝行できたと思えてからも、年俸を上げたいと考えていた。もらえばもらうほど、もっと欲しいと思った。そういう自分を貧乏人根性が抜けないんやなあと思う。

年俸を上げることが目的になっていた時期もあった。「ナンバー1になりたい」、「あいつより給料をもらいたい」、そんな気持ちが自分のモチベーションになっていたからだ。その気持ちは今でもなくなってはいない。今、投資で「失敗したくない」と思っているのも同じ感覚だ。金額そのものよりも、負けず嫌いの血がどうしても騒いでしまう。勝負にこだわることは、僕にとって人生における楽しみのひとつ。モチベーションが上がるのなら、こういったシビアで楽しい“ゲーム“に身を投じるのも悪くないと思っている。

ただ、ひとつだけ断言できるのは、お金は目的ではないということ。お金はあくまでツールであり、未来のビジョンのためにある。資本主義社会で何かを実行しようと思えば、必ずお金が必要だ。僕のように本気で世界平和を実現しようと思ったら、お金はいくらあっても足りない。

今、僕は8社を経営していて、130人以上の人間を雇っている。僕のビジョンを実現するにはもっともっと仲間が必要だし、彼らに払うサラリーも必要だ。ビジョンがあるから頑張れるし、ビジョンがあるから、そのためのツールであるお金にこだわることができる。そのお金で何をするのか、何ができるのか。お金の“向こう側“を見失わないことが大切なのだ。


Composition=川上康介

最終更新:7/7(日) 8:15
GOETHE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事