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リーマンショック後、日本政府は「赤字中小企業」に何をした?

7/7(日) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

2008年9月に起こったリーマンショックによる金融危機。影響は甚大であり、日本の「完全失業率」は急激に上昇しました。中小企業庁の報告によれば、2009年7月、その数値は過去最悪の5.6%を記録しています。多くの中小企業が倒産に見舞われた未曾有の事態に、当時の政府はどのような施策を講じていたのでしょうか。中小企業の経営助言・支援・指導に積極的に取り組む石原豊氏が解説します。

限られた経営資源で苦境を強いられる中小企業

いつの時代も、中小企業が安定経営を続けるのは至難の業である。潤沢な経営資源をもとに経営の舵を取る大企業とは異なり、中小企業はヒト、モノ、カネが常に不十分で、綱渡りの企業運営を余儀なくされているからだ。

なかでも過小資本の問題は大きく、新規事業に打って出るにせよ売上拡大を目指すにせよ、攻めの経営をしようとする際には常にカネ不足がつきまとう。また、経済状況が一変したり取引先が倒産したりといった予想外の事態に陥れば、たちまち資金繰りに窮して経営難に陥ってしまう。

一方で、経済が好況に転じた際にその恩恵を真っ先に享受できるのは大企業であり、中小企業は大手が利益を吸い取ったおこぼれにあずかる程度。産業構造の下層に位置するがゆえの悲哀である。

中小企業が黒字経営を維持することがどれほど難しいことかは、国税庁の調査結果を見ても明らかだ。2014年度に税務申告をした法人企業のうち、実に66.4%が赤字申告となっている。これは申告された数字をもとにしているため、企業の経営実態が赤字か否かはまた別問題だが、少なくとも「日本企業の7割程度が赤字申告」というのは紛れもない事実である。そして、日本の企業数の99.08%が中小企業なのだから、つまるところ中小企業の7割が赤字状態なのだ。

国を挙げた中小企業支援は「オーダーメイド」の時代へ

もちろん、国もそんな中小企業の状況を見過ごしてきたわけではない。従来、様々な中小企業振興策を打ち出し、あの手この手で援助をしてきた。なかでも、その動きを本格化させたリーマンショック以降に注目し、どのような法律を打ち出し、施策を講じてきたのかを整理してみたい。

2008年のリーマンショックによる世界的な経済不況は、日本の多くの中小企業を軒並み経営危機に追いやった。売上が前年対比3分1以下に落ち込む企業も珍しくなかったほどだ。これにより、過小資本の中小企業が相次いで借金を返せなくなるという事態に発展し、一説では、当時資金繰りに窮した中小企業は数十万社にも上ったという。

中小企業の業績悪化で苦悩したのは、地元の中小企業と一蓮托生の運命にある地方銀行も同様である。返済の目処が立たないからと、経営が苦しくなった中小企業に対して「全額返済」を迫ればどうなるか――。地元から厳しい目を向けられる上、財務の悪化を意味する貸倒引当金を積まざるを得ない。引当金の累積額によっては、銀行自体が倒産の憂き目に遭うリスクもある。

結果、地域の金融機関は経済危機という状況を最大限に考慮して、リスケ(リスケジュール:返済猶予)を願い出てきた中小企業に対して情状酌量の措置を講じた。つまり、返済条件が規定されている「銀行取引約定書」の約束を棚上げし、借金の返済額を一時的に減額したり、元本返済を猶予したりする応急措置を取ったのである。

ボクシングでいうクリンチ状態だ。疲弊した中小企業は銀行に寄りかかることで何とか立つことができ、銀行もそれを暗黙の了解で許している。両者は運命共同体なので、そうやってお互いにもたれ合っていなければ、共倒れする可能性があったからである。

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最終更新:7/7(日) 8:00
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