ここから本文です

「水素ガス吸入器」で認知機能が向上? お値段350万円、「エビデンスない」指摘も

7/7(日) 8:00配信

デイリー新潮

「水素ガス吸引」で万病退治・若返りは本当か(2/2)

 数年前の水素水ブームとはひと味違う、「水素ガス吸引」とは。その効果のほどは歌舞伎役者の坂東玉三郎も「疲れが取れるようになった」と太鼓判を押し、がん治療に水素吸入器を導入する医療施設の例もご紹介した。認知機能改善や若返りもあるという“吸引”事情をさらに探ってみよう。

 ***

「週刊新潮」の20代男性記者も、へリックスジャパンの水素吸入器「Hycellvator ET100」を試してみた。都内にある同社に吸入室があるのだ。吸引前にあらかじめ左手薬指の毛細血管をチェックしたうえで、チューブの先端の二つの突起を鼻の穴に入れ、無味無臭の蒸気を60分吸った。その後、あらためて毛細血管を調べると、血流がスムーズで、血の色が濃くなっているように見えたのである。

 同社の有澤生晃社長は、

「水素を吸うと副交感神経が優位になって血流がよくなることは、血流スコープで確認できます」

 と語る。その結果なのかどうか、白髪が黒くなったとか、肌がツルツルになったという声も上がっているとか。ただし、この吸入器の価格は220万円と、なかなかの高額である。

 しかし、前回触れたように、玉三郎が愛用しているオプスの製品は1台350万円とさらに高額だ。それでも、同社の小林雅之社長は、

「政治家から芸能人、経営者、スポーツ選手まで、幅広い方にお使いいただいています」

 と言って、続ける。

「基本、健康長寿を目的にご利用いただいていますが、普段から強烈なプレッシャーに晒されている方などは、リラックス効果を求めておられます。俳優さんだと肌つやがよくなったとか、舞台に上がる方だと、大変な現場でもあとに疲れが残らないというお声も。スポーツ関係で、体が軽くなったとおっしゃる方もいます」

 同社の関係者によれば、市村正親と篠原涼子夫妻や、丸川珠代参議院議員、鳩山由紀夫元首相らもユーザーだという。

認知機能が向上した

 これに対し、アクアバンクが販売する3万円台のポータブルな吸引具「KENCOS3」は、随分安価なのが気になるが、

「1分間に最大8ミリリットルの水素ガスを生成。これで水素吸引することで、副交感神経を優位にするリラックス効果、脳が活性化する認知機能向上効果が得られることがわかっています」

 同社の竹原タカシ社長はそう自画自賛しつつ、

「筑波大学大学院の矢田幸博教授と共に行った研究でも、効果が示された」

 と、独りよがりでないことも、同時に強調する。

「昨年5月末から、鹿児島県西之表市で実施した産官学連携の研究では、水素吸引の高齢者の認知機能への影響を調べました。MCIと呼ばれる認知症予備軍の方を50人選び、1カ月にわたって1日5回、“KENCOS3”で5分ずつ水素吸引してもらいました。きちんと吸引できた方は17人でしたが、彼らは1カ月後の検査の結果、認知機能の向上が見られたのです」

 昨年7月からは、神奈川県鎌倉市と共同で、半年ほどかけて実験したという。

「調査参加者募集の張り紙に集まった100名ほどの市職員を、ストレス・疲労関連を試験する35~55歳の男女71名と、疲労・認知関連を調べる55~65歳の男女30名に分け、前者をA、B群、後者をC群としました。水素吸引を続けて2カ月後、吸引前とくらべ、実年齢より脳年齢が高い人の数が減少し、認知精神機能の向上や改善が示唆されました。また、C群の参加者は3カ月の吸引で最高血圧が10下がり、水素によって血圧低下の可能性があることがわかりました」

 筑波大の矢田教授にも補足をお願いしようか。

「水素吸引すると体はリラックスし、脳は活性化するので、疲労を抱える現代人には特に有効です」

 と語る矢田教授は、

「水素水の効果については半信半疑でしたが、今では、水素の効果は間違いなくあるものだ、と確信しています。ただ、どうして効果があるのか、メカニズムがわからないので、これからの研究が必要です」

 と言い、竹原社長が触れた実験について、

「鹿児島県ではアクアバンクの『KENCOS3』に認知機能の向上、不眠の改善や抑うつ効果があることがわかりました。鎌倉市との共同調査でも、ストレス低減や認知機能向上の効果があることがわかりました。私は最低でも、寝る前に1度は水素吸引していて、できれば1日3回くらい吸いたいと思っています」

 ちなみに、週刊新潮の20代女性記者も、「KENCOS3」から水素を5分ほど吸う前と後とで、身体機能にどんな変化があるか、という検査を受けた。結果、短期記憶は2点から7点、長期記憶は0点から10点へと上昇し、総合得点は13点が26点へと倍増した。もっとも、10分程度の簡易的な検査で果たして、というのが、記者の偽らざる感想ではあるのだが。

1/2ページ

最終更新:7/7(日) 8:00
デイリー新潮

記事提供社からのご案内(外部サイト)

デイリー新潮

新潮社

「週刊新潮」毎週木曜日発売

「デイリー新潮」は総合週刊誌「週刊新潮」が発信する最新の話題に加え、専任取材班による綿密な取材に裏打ちされた記事を配信するニュースサイトです。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事