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上野樹里主演ドラマ「監察医 朝顔」 丁寧な日常描写で映し出す“証”が胸に響く

7/8(月) 12:30配信

ザテレビジョン

7月8日(月)に上野樹里主演の月9ドラマ「監察医 朝顔」(毎週月曜夜9:00-9:54※初回は夜9:00-10:24、フジテレビ系)が放送スタート。同名コミックを原作に、法医学者・朝顔(上野)と父である刑事・平(時任三郎)が遺体の“生きた証”を探す姿を描いていく。

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今回はザテレビジョン試写室として、放送前のオリジナルレビューを掲載。ドラマの見どころを独自の視点で紹介する。

第1話では、朝顔の働く法医学研究室に「ジョージ・クルーニー似のダンディな刑事が異動してくるらしい」とのうわさが。しかし、解剖依頼された遺体と共にやってきた刑事は、朝顔の父・平だった。異動を知らなかった朝顔は驚きながらも、倉庫で見つかったという遺体を解剖。すると、死因は溺死であることが判明する。

■ 上野樹里が表現する“日常”生活

この作品で特徴的なのは、タイトルにある「監察医」という医療モノを思わせる響き以上に、朝顔の日常生活を非常に丁寧に描いている点だ。

アップテンポで情報量の多いドラマにが主流となっている時代。もしかすると、この展開のゆるやかさを不思議に思う人がいるかもしれない。しかし、この丁寧さには理由がある。

朝顔の母、平の妻である里子(石田ひかり)は、東日本大震災で現在も行方不明。二人は、安否の分からない母親という存在に向き合い続けている。このデリケートなテーマをどのように描くのか。

本作では、山崎賢人主演の医療ドラマ「グッド・ドクター」(2018年)を手がけたスタッフも参加。小児外科を舞台に、命と向き合う医師の姿をあたたかく描いたことで高評価を得た作品だ。彼らは本作で、蛇足も不足もなく、丁寧に淡々と日々の生活を積み重ねることを選んでいる。

例えば、ただ朝食を共にするのではなく、洗濯物の分け方についてああでもないこうでもないと軽く言い合う。帰宅すれば、朝顔が出した麦茶ボトルを平がしまってやる。その冷蔵庫の扉には、里子が3月11日直前に書いたメモがいまだに貼ってある。

ここまで聞くと重たいドラマのように感じるかもしれないが、本筋の事件パートはハートフルな仕上がり。亡き者が残した思いに胸が詰まりながらも、その優しさと遺族がほんの少しだけ前へ進み出す姿に心打たれる展開が待つ。

■ キャラクター、視聴者が見つけ出すもの

この物語で描かれるのは、誰かにとって当たり前に存在した人がいなくなったとき、その人が「たしかにここで生きていた」という証を見つけ出すこと。そして、生き残っている人々が、ほんの少しだけ前を向く姿だ。

それは各話に登場する事件の当事者に限られたものではない。生きた証を探し出す朝顔と平の日常生活の中にも、当たり前に存在した“母親”と共に積み重ねた日々があり、今度は視聴者がその中から母親の生きた証を見つけ出すことにつながっていく。

軽薄な感動を誘おうとせず、日々の生活をクローズアップすることで人々の命や思いと向き合う本作。アップテンポな作品が大量に制作される今、この丁寧な描写と上野、時任のたしかな演技力で仕上がったドラマで、時には人のあたたかさを思い返すのもいいかもしれない。(ザテレビジョン)

最終更新:7/8(月) 12:30
ザテレビジョン

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