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韓国の「日本」不買運動、不発の歴史

7/9(火) 12:14配信

Wedge

今回の措置発動後も日本酒フェスは大にぎわい

 13年は第2次安倍政権発足直後ということもあって、内閣府政務官を「竹島の日」式典に派遣したことが注目された。そして植民地支配への代表的な抵抗運動だった「三・一運動」の記念日である3月1日に、運動の象徴的な地であるソウル中心部のタプコル公園前で日本製品不買運動が宣言された。トヨタやマイルドセブン、ハローキティなどといった日本企業やブランドが描かれた大きなボードに、参加者が次々と生卵を投げつける。これは面白い絵になるのでカメラが集まってきたが、これも当然、この日限りの運動だった。

 この時には韓国人記者から「日本人記者として不買運動をどう思うか」と聞かれた。「どうせ一日で終わりだろ。今までだって、そうだったじゃないか」と答えると、「そうだろうねぇ」という言葉が返ってきた。彼らは分かっているのである。

 取材を終えてから、明洞にあるユニクロの大型店前へ向かった。買い物袋を手に店から出てくる人たちに不買運動のチラシを見せて感想を聞くと、ため息をつきながら「色々な人がいるからねぇ。こういうのに神経を使わない方がいいと思うよ」とか「不買運動なんて聞いたことない」と答える人ばかりだった。

 さて今回は違うのだろうか。日本の措置が発表されてから初の週末となった6、7日にソウルで開かれた日本酒フェスティバルは、入場料2万5000ウォン(約2300円)と有料ながら約5000人の客が集まった。日本の蔵元120の500銘柄をそろえた韓国最大規模をうたう日本酒イベントだ。日本酒輸入を手がける会社を韓国で起業し、今回も出展した熊谷謙さんは「2年前の前回より客入りが良くて、日韓関係悪化の影響は全くなかった。うちのお客さんたちは、政治は政治、酒は酒ですから」と話していた。韓国の日本酒ファンの特徴は他国より若く、女性が多いこと。会場での2日間の小売り用に準備した日本酒は初日に売り切れてしまい、追加で搬入することになったという。

澤田克己 (毎日新聞記者、元ソウル支局長)

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最終更新:7/9(火) 12:14
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