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安倍政権の「対韓輸出規制」が日本の国益を損なう10の理由

7/9(火) 7:01配信

現代ビジネス

5)「政冷文熱」に水を差し、韓流ブームが崩れていく

 2013年2月に始まった朴槿恵政権、及び2017年5月に始まった文在寅政権の期間中、安倍政権との政治関係は、ほぼおしなべてよくない。だが韓流ブームは絶好調で、「政冷文熱」とも言える状況が続いてきた。

 韓国観光公社の統計によれば、昨年韓国を訪れた日本人観光客は、295万人に達した。これは前年比28%増である。こうした日韓交流の増加は、政治問題と関係なく、文化的関係が熱を帯びていることを意味している。

 特に、女性と若者である。内閣府が昨年12月21日に発表した最新の「外交に関する世論調査」によれば、「韓国に対して親しみを感じる」「どちらかといえば親しみを感じる」と答えた日本人は、全体の39.4%だった。だが女性だけに限ると41.9%。18歳から29歳までの若者は57.4%と、過半数が「親韓派」なのである。

 昨年12月に邦訳版が出た趙南柱(チョ・ナムジュ)の小説『82年生まれ、キム・ジヨン』は、今年前半の日本の文芸界の話題をさらった。3月に13万部を突破し、いまも売れ続けている。

 読んでみると分かるが、この小説のストーリーは、多分に韓国的だ。34歳の専業主婦キム・ジヨン(1982年生まれの韓国人女児で最も多かった名前をつけた)は、IT企業に勤める男性と2年間付き合った末、3年前に結婚し、1歳の娘と3人暮らしだ。

 そんな中、彼女に他人の人格が瞬間的に乗り移る現象が見られるようになる。自分の母親になったり、親しかった先輩女性になったりするのだ。そして「秋夕」(チュソク=旧盆)の日、釜山の夫の実家に一族が集まっている席で、ジヨンに自分の母親が憑依して、夫の両親への不満をぶちまけてしまう。驚いた夫は、彼女を産後の鬱病ではないかと疑い、精神科に行かせる。

 精神科医は、彼女を解離性人格障害と診断する。病院通いを機にジヨンは、自分の人生が生まれてから現在まで、女性だということで、韓国社会の中でいかに差別を受けてきたかを振り返る……。

 この本は、2014年に韓国で発売されるや100万部を超えるベストセラーとなり、文在寅政権がたびたび、この本を取り上げて女性差別やセクハラ防止を訴えている。そのような「文在寅公認本」が、日本でバカ売れしているのである。

 K-pop部門でも、「防弾少年団」(BTS)をご存じだろうか? 2013年6月に韓国で結成された男性7人組のヒップホップ・アイドルグループで、言ってみれば「韓国版ジャニーズ」のような存在だ。アジア人初のビルボード1位を獲得し、今年2月10日には、グラミー賞のプレゼンターも務めた。

 彼らは2014年6月に日本デビューを果たし、「日本中の女性を虜にした」という意味では、あの「ヨン様」以来の存在感を見せている。これまでオリコン週刊ランキングで1位になったシングル曲が4曲もあり、2017年6月には雑誌『an an』の表紙を飾った。

 7月3日にユーチューブにアップされたばかりの日本語バージョンのオフィシャル・ミュージックビデオ最新作『Lights』の再生回数は、わずか5日後の8日現在で、2152万回にも上り、オリコンのデイリーシングルでトップだ。ちなみに、私がこのユーチューブを見た時、最初に安倍首相が映った自民党の選挙コマーシャルが出てきて、思わず苦笑してしまった。

 韓流ドラマも、日本ですっかり人気が定着した感がある。テレビのBS放送を観ると、各局とも韓流ドラマに力を入れている。NHK総合も4月には『オクニョ運命の女』(全51話)を放映し、好評を博した。

 多くの韓国ドラマの買い付けを行っている日本企業のバイヤーも証言する。

 「ますます韓流ドラマの『爆買い』に拍車がかかっている。2015年には、1話あたり3万ドルが相場だったが、昨年から1話あたり20万ドルのドラマが続出するようになった。

 例えば、『100日の郎君様』は1話あたり23万ドル。年初に韓国で放映終了した『ボーイフレンド』は、韓流ドラマ史上最高額の1話あたり30万ドルで契約が決まった。『ボーイフレンド』は全16話なので、計5億3000万円だ」

 「韓流の聖地」と呼ばれる東京・新大久保は連日、ものすごい賑わいを見せている。今回の安倍政権の措置は、こうした日本人が楽しんでいる韓流ブームにも水を差すことが懸念されるのである。安倍首相の昭恵夫人も韓流ファンとして知られるから、夫婦ゲンカが起こるかもしれない。

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最終更新:7/9(火) 12:35
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