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川谷絵音が考える ストリーミング時代に売れる音楽

7/10(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

音楽批評連載「ヒットの理由がありあまる」で、独自の視点でヒット曲を分析するゲスの極み乙女。の、川谷絵音。最新の音楽トレンドを常に追い続ける彼が、現在注目する新世代の才能を持ったアーティストを語った。

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僕が最近、新しいアーティストや楽曲に出合うのは、もっぱら「Spotify」「Apple Music」といったストリーミングサービスです。ストリーミングが普及したことで、世界中の音に簡単に触れられるようになった。それはつまり、アーティストにとっては世界中に音を届けられる時代になったということです。

例えば、「Spotify for Artists」という、アーティスト向けのユーザー分析サービスあって、どこでどのように自分たちの楽曲が聴かれているのかも分かります。ヒップホップの要素もあるゲスの極み乙女。はアメリカでよく聴かれている一方、indigo la Endはイギリスで聴かれていたりする。

これはアーティストにとっては本当に幸せなことなんです。正直、日本の音楽界がこれまでCDセールスに固執してきたことは、まさに愚の骨頂で(笑)。ダサいけど売れるみたいな風潮もあって、自分がカッコイイと思う音楽をやっても、売れないから評価もされない的な。でもストリーミング時代なら、評価してくれる層に向けて曲を作り、そこでライブをすればいいんです。これから挙げる僕が面白いと思う若手アーティストたちは、みなストリーミングをうまく活用しています。キーワードを幾つか挙げるとすれば、「BGM」「プロジェクト」「DIY」です。

まずは「BGM」について。ストリーミングで人気を集めるのは繰り返し聴けるBGMにもなる曲なんです。いろんなプレイリストに入りやすい曲のほうが再生回数が伸びやすい。なので、メタルのような激しいサウンドの曲よりもチル系が主流。実際僕がやっているichikoroというインストバンドで、激しめの『Tom!!!』と、心地いい系の『James?』という曲を同時にアップしたら、圧倒的に後者が再生されました。

そういう世界的な傾向をしっかりと分析しているのが、覆面ユニットのAmPm。日本を飛び越え、海外でブレイクしただけあって、そのサウンドはかっこいいだけでなく、BGMとしてもちゃんと通用するものになっている。ガールズバンドのSaToAも、バンドなのにまるでピチカートファイブのような軽やかさがあってBGMのような楽しみ方もできます。

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最終更新:7/10(水) 12:15
NIKKEI STYLE

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