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川谷絵音が考える ストリーミング時代に売れる音楽

7/10(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

■幅広い曲を持つことが大切

2つ目は「プロジェクト」です。僕は今4組のバンドを並行してやることで、複数のプロジェクトを走らせています。幅広いテイストの楽曲を持っているアーティストが強いんですよね。なぜかというと、ストリーミングにはレコメンド機能があり、また先にも挙げたプレイリストに入れてもらうことで接点が増える。僕自身どのバンドの曲がどんな人に触れるのか分かりません。いろんなプロジェクトがあると、それだけ接点が増えるんです。ソロアーティストのACAね(あかね)が、あえてソロプロジェクトとうたって活動する、ずっと真夜中でいいのに。は面白いなと思いますね。彼女は自分で作詞作曲するけど、曲ごとにアレンジャーを変えているため、ソロとは思えないほどサウンドが幅広い。しかもアレンジャーには、ネット出身の実力あるボーカロイドプロデューサーを起用しているところも今っぽいなと思います。

3つ目は「DIY」。機材が進化し、高いスタジオを使わなくても音楽の知識があれば、クオリティーの高い曲が作れ、ストリーミングなどで発信できてしまう。それだけでなく、自分で作った曲をどう展開していくかをコントロールするという意味も、DIYにはあります。アメリカでは、ストリーミングのみで楽曲をリリースし、17年にグラミー賞まで獲得したインディーズのアーティスト、チャンス・ザ・ラッパーも現れていますしね。今後はインディーズで原盤権を自分たちで持ち、自由たちの意思で活動していくほうが賢いなと思います。4人組インディーズバンドyonawoは、ギター担当がミックスまで手掛け、さらには、ドラムがジャケットの絵まで描くというこだわりぶり。あと、シティポップサウンドの4人組インディーズバンドのミツメも自らのインディーレーベルで10年も活動しています。

最後にこれまでの文脈とは違うんですが、一押ししたいのがシンガーソングライターの折坂悠太。正直僕は彼の曲を聴いた時に「やられた!」と思いました。歌声もサウンドも、まるで年号が逆に進んだ感じの昭和っぽい歌謡曲のようでありながら、世界に通ずるルーツミュージック感もあるんです。なお僕は、「歌謡サウンド」がこれからの音楽界のキーワードになると思っています。連載「ヒットの理由がありあまる」でも触れているので、ぜひ読んでみて下さい。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2019年6月号の記事を再構成]

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最終更新:7/10(水) 12:15
NIKKEI STYLE

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