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西友売却話はまだ消えていない?

7/10(水) 5:00配信

商業界オンライン

  昨年7月、ウォルマートの西友売却が報じられてウォルマートは売却を否定したが、ファンド、商社、流通大手などの名前がささやかれ、ドンキホーテホールディングス(現パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)が関心を示すなど、業界に波紋が広がった。

 その後も水面下で交渉が進められているといった臆測も呼んでいたが、6月26日、東京で開催された西友のアソシエイト(従業員)向けの対話集会で、約600人のアソシエイトに対して西友の今後3年間の事業計画を発表する中、ウォルマートは西友の再上場を目指す方針を明らかにした。

 ウォルマート・ジャパン・ホールディングスと西友のリオネル・デスクリーCEOは「私たちは西友を、ウォルマートの力強い支援の下、先進的で、地域に密着した革新的なバリュー・リテイラーにすることを長期的な目標に掲げています。この目標を達成するために、日本の事業に積極的な投資を行っていきます」とも表明した。

 このことから、1年に渡りくすぶり続けてきた売却話は、ウォルマートによる西友の事業継続という形で一応終息したが、今後を考えると一筋縄ではいかない状況が見えてくる。まず、同時に策定された4つの重点領域を定めている中期的な事業計画を見てみよう。

(1)カスタマー・バリュー・プロポジション(CVP)の向上

『西友が考えるCVPとは、お客様が西友で購入いただく商品やお買い物体験に高い価値を感じていただくことです。価格設定、品ぞろえ、地域のニーズをこれまで以上に売り場に反映させるといったことが、今後の成功のカギを握っています。また、店舗の改装を加速させることもお客様の支持獲得につながると考えています。』

 その前提として、西友ではこれまでEDLP(毎日低価格)を推し進める中で、「みなさまのお墨付き」などユニークなプライベート・ブランド(PB)商品や、利便性の高い好立地の店舗、そしてお客様のために尽くすアソシエイトの接客などが高い評価を受けてきたと振り返る。

 確かにPBでは一定の評価を得てきたことも事実だが、最大の強みであるEDLPでは、3カ月以上値上げをせずに低価格に固定する「プライスロック」、他店のチラシ価格と同額保証する手法や、「KY(カカクヤスク)」のCMキャンペーンなどで安さを訴求してきた。

 しかし、オーケーやトライアルといったディスカウントストア(DS)勢の後塵を拝しており、必ずしも同業他社との優位性を発揮できていないのが実情だ。EDLP実現のため、メーカー直取引も含めてさまざまな場面でウォルマート流を持ち込んだが、西友はウォルマートと異なり日本で絶対的な存在ではないこともあり、日本独自の商慣行にも阻まれて「ハイ&ロー」も常態化し激しい価格競争が行われている状況の中、思うような成果を上げていない。

 品揃えにおいてはこだわりを排除し、基本アイテム中心のベーシックな構成で徹底している。今後もこの方針を堅持していくものと思われ、改めてEDLPの役割が問われることになる。

 取り組みが遅れているのが地域対応だ。そのためには取引先開拓はもちろん、イオンのように組織改革も必要で、速度感も求められる。そもそも西友の顧客がどこまでそれを求めているかといった問題もある。

 店舗の改装は、経年劣化や変化するニーズへの対応に欠かせないものだが、西友では過去にも改装を進めてきたが、その効果はいかほどであったか細かく明らかにしていない。一般的に、近年は改装効果が以前より落ちており、売上げを回復させて、再び上昇軌道に乗せるのは至難の業である。「ユニーからドンキ」といった劇的なものでない限り、改装が業績向上の切り札となるのは難しい。

 事業伸長は、依然として新規出店によるところが多く、成長に向けての明確な出店戦略を描けてない今の状況からすると、この点でも活路を見いだすことはできない。

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最終更新:7/10(水) 9:33
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