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英雄の凱旋……でも君の名は!?ずっと名前を間違えられてきた男

7/10(水) 11:09配信

footballista

満を辞して古巣に戻ってくるのは……

 彼が戻ってくる。イングランド代表でも活躍した彼が、満を持して古巣に帰ってくる。プレミアリーグを代表するナイスガイが、一度は別れを告げたクラブに帰ってきたのだ。

 誤解を招きそうなので明確にしておこう。これはフランク・ランパードの話ではない。今回取り上げる選手は“Phil Jagielka”である。

 彼は12年も在籍したエバートンを昨シーズンいっぱいで退団し、バーンリーの練習に参加しながら新天地を探していた。そして7月4日、古巣であるシェフィールド・ユナイテッドに加入することが発表されたのだ。

 当然の成り行きである。エバートンで出番を失った36歳の彼は、おそらくキャリア最後となる新たな挑戦を求めていた。一方で、シェフィールドUは13シーズンぶりのプレミアリーグ復帰。チームを率いるクリス・ワイルダー監督は下部リーグでは名の知れた名将だが、プレミアに関しては初挑戦となる。だから経験値が必要だったわけで、“Jagielka”はうってつけの補強なのだ。

 前回、シェフィールドUがプレミアに所属した2006-07シーズン、“Jagielka”は同クラブで万能選手として活躍。中盤や最終ラインだけでなくGKまで務めた。さらに“Jagielka”は……と話を進めても、読者の皆さんはアルファベット表記が気になって仕方ないはずだ! もちろんアルファベットで表記しているのには理由がある。

ポーランドにルーツを持つ英国人……君の名は?

 ご存知の方もいると思うが、“Jagielka”はポーランドにルーツを持つイングランド人である。彼の祖父母はポーランド人で、第2次世界大戦中に戦火を逃れてイングランドにやってきた。とはいえ彼本人はマンチェスター生まれであり、「ポーランド代表でもプレーできるが、自分はポーランド人だと思わない」と語ったことさえある。だから英国の大半のコメンテーターも、自然と彼を「ジャギエルカ」と呼んできた。そのため日本でも「ジャギエルカ」という名前で認知されているはずだ。

 だが先日、エバートンでの彼の功績を称える記事に気になる一文があった。「21世紀のエバートンの象徴」と題された『リバプール・エコー』紙の記事に、こう書かれていたのだ。「20年近く名前の呼び方を間違えられても気にしなかったいい人」……。なんと、2000年にプロデビューした彼の名前は「ジャギエルカ」ではなく「ヤギエルカ」だというのだ。本人自ら、そう発音しているというのである!

 たしかにポーランド人ならば「ヤギエルカ」の方が正しい発音になる。だがイングランド代表選手が、20年近くも発音を間違えられるだろうか? そこで本人が自己紹介しているYouTubeの映像をいくつか確認してみた。そして、ようやく謎が解けた。彼は自己紹介する動画の中で、はっきりとは「フィル・ヤギエルカ」と発声していないのだ! 筆者が見つけた動画では「フィル・ギエルカ」くらいにしか聞こえないのだ。さらに彼は、司会者などに「ジャギエルカ」と紹介されても訂正していないのである。

 思い出されるのは現マンチェスター・ユナイテッドの指揮官、Ole Gunnar Solskjaerである。彼は幾度となく名前の発音を聞かれてきた。そして説明しようと試みるも、いつも最終的には「オレと呼んでね」と諦めてしまうのだ。2人の共通点は、やはりどちらも“いい人”ということだ。

 どうやら、新シーズンの“ユナイテッド”の命運を握るのは、名前にこだわらない“いい人”のようだ。

最終更新:7/10(水) 11:09
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