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野生動物に餌やりはダメ、でも野鳥は例外? 研究

7/10(水) 7:10配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

餌やりがダメな三つの理由と、意外な利点

 野生動物を呼び寄せて楽しむために、米国ではマンションのベランダに鳥の餌台(バードフィーダー)を置いたり、裏庭にやってくるシカのために給餌器を設置ししたりする人が少なくない。

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 しかし、これは動物にとっても人間にとっても危険だと、専門家たちは忠告する。

 餌場は、狭くて様々な動物がやってくることから、病気や寄生虫を広げる温床となりかねない。そう話すのは、米ペンシルベニア州狩猟委員会の野生生物学者、ジャニーン・フリーグル氏だ。

 例えば、シカを死に至らしめる慢性消耗病(CWD)は、餌場に動物たちが集まることで尿、唾液、糞などが混じり合い、それとの接触で感染が広がると研究者たちは考えている。

「シカを引き寄せるための餌は、直接的または間接的に、シチメンチョウやリス、アライグマ、ネズミ、スカンク、キツネなども呼び寄せることになります」とフリーグル氏は言う。「シカだけでなく他の動物にとっても、餌場は病原菌への接触と感染のリスクを高めるのです」

 犬ジステンパー、パルボウイルス、レプトスピラ症、アライグマ回虫、鳥ポックスなどはすべて、餌場で広がる可能性のある病気または寄生虫だ。

「一般に、野生動物に餌をやるのは良いことではありません。どんな動物だろうと、あなたがどこに住んでいようと関係ありません」とフリーグル氏は警告する。

人間がいれば食べ物にありつける?

 アライグマがピーナツバターをかじっているところを見たことがある人なら、いかに彼らがペットのようにかわいらしいかを知っていることだろう。しかし、たとえ小さくても、野生動物は人間に危害を及ぼす可能性がある。

 実は、米グランド・キャニオン国立公園で最も人をかむ事例が多い動物は、餌を求めるリスなのである。

 餌を与えられた野生動物は、人間と食べ物を結び付けて考えるようになってしまう。すると、動物たちが、人間の子どもやペットを傷つけて野生動物管理官に処分されたり、車に轢かれたりするケースが増えることになる。

 だから専門家たちは、「餌をもらった(fed)クマは、死んだ(dead)クマだ」と言うのである。

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