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FC東京、永井謙佑。ストライカーとして増す怖さと貫禄。成長の理由、日の丸を背負う効果とは

7/10(水) 10:42配信

フットボールチャンネル

 明治安田生命J1リーグ第18節、FC東京対ガンバ大阪戦が7日に行われ、ホームのFC東京が3-1で快勝した。雨が降りしきる中、持ち味の俊足だけなく、高い技術とゴール前の冷静さで2得点1アシストの活躍を見せたのがFW永井謙佑。約4年ぶりに日本代表に選出され“代表オーラ”をまとい、FWとしての歩みを進める30歳のストライカーに迫る。(取材・文:下河原基弘)

【動画】FC東京からの選出はあるか? J1ポジション別ベストプレーヤー

●落ち着きと貫禄に溢れる永井のプレー

 当然のようにゴールを決めた。そう思わせるほどに永井謙佑のプレーは落ち着きと貫禄に満ち溢れていた。

 0-1の前半38分、左サイドを切れ込んだMFナ・サンホのクロスが相手に当たってこぼれると、ゴール中央で待っていたのは背番号11。左足でおさえて蹴りこむと、横っ飛びしたガンバ大阪GK東口順昭の虚を突くようにワンバウンドしたボールは、ゴールに吸い込まれていった。

「サンホががんばってくれたので。僕は詰めるだけでした」とチームメートの手柄を強調した韋駄天FW。報道陣から決して簡単なシュートではなかったのではと質問され、「叩けばいけるかなと。キーパーも練習とかでもああやって横に飛ぶことが多い。叩けばタイミングがずれるので、そしたら入るかな」と、日本代表守護神を手玉に取る技ありゴールの種明かしをしてくれた。

 さらにその2分後にも見せる。今度もナ・サンホからのクロスに対して、相手DFの前に入ると頭で合わせた。「2点目もサンホのクロスでした。うまく、あの時間帯で逆転できてよかったです」と笑顔。

 この試合、シュート2本で2ゴール、その精度の高さについて聞かれると「サンホ様様です」と、今度も味方を持ち上げた。後半15分にもFWディエゴ・オリヴェイラへのアシストを決めて全得点に絡み、連勝の原動力なった。

 このコメントからも分かる“いい人”ぶり。だがピッチ上で、そしてFWとしては時にマイナスに働くこともある。長谷川健太監督は「謙佑は人がすごくいいんで、抜け出してシュートを打てばいいのに、人にパスしちゃうというところが、昨年までたびたびあって。もっとゴールに向かってプレーしようという話をしました」と振り返った。

●成長をさらに促した約4年ぶりの代表選出

 日本最高峰のスピードを持つこともあり、過去にはFWだけでなくサイドハーフで起用される時期もあった。「どちらでも生かしたい選手ではあるので、なかなか1つのポジションに決め切れなかったのでは。彼自身の頭の中も、どちらのポジションも中途半端な考え方でプレーしていこともあったと思う」と指揮官は、悩んでいたであろう永井の心の内を推察した。

 だが長谷川監督が昨年からFC東京で指揮を執るようになると、早いうちから最前線に固定。意識も高めていくことで、「FWは自分でゴール決めないといけないということで、今シーズンはだいぶゴールに向かうプレーが多くなった。徐々に自分の考え方がストライカーらしくなってきたのではないかなと思っています」と認めるほどまでに成長した。

「ずっと僕とディエゴが(点を)取れてなくて、特にタケ(久保建英)だったりサンホが取ってくれていたので、すごい責任は感じていた。そういう意味では自分たちは取んないといけないっていう責任感がついた部分はあります」と語る姿からは、FWとしての強い思いが感じられた。

 そして背番号11の成長をさらに促したのが、約4年ぶりとなった日本代表への選出、そして6月9日に行われたキリンチャレンジカップのエルサルバドル戦での2得点だ。指揮官は「代表に選ばれて自信という部分が、帰ってきてからも見られる」と話すと、本人も「自信になっている」と力をこめた。

●「東京で優勝したい」

 自身も日本代表でプレーし、また教え子たちを何人も代表に送り出してきた長谷川監督は「代表に入ると代表オーラじゃないですけど、みんな自信を持つ。もう一度入りたいという感じになるのか、自覚が芽生えるのか」と日の丸を背負う効果について語る。代表に入ることで、さらに選手が伸びると話す他クラブの監督も多い。それが今、爆速FWの身に起きているのかも知れない。

 だが一方で永井は「代表がというより、東京で優勝したいっていう欲の方が今は強いので。とりあえずチームの結果で代表が見えてくると思う。代表、代表と言う意識はないですね」ときっぱり。地に足をつけて日々の練習に励み、チームを悲願の初優勝に導くことで代表への定着、そしてその先が開けてくると考えているようだ。

 MF久保建英がレアル・マドリーに移籍してから2連敗と苦しい時期もあったが、これで2連勝。再度チームにエンジンがかかってきた。

「10何試合もタケがいて、タケのいるリズムの中でこっちもやっていたので…。(ただ)選手が代わって、ようやく個々の良さを出せるようなってきている。そこは健太さんの力もありますし、本当にみんながいい方向に向かってできていると思います」と久保ロスも乗り越えて、復調に手ごたえを感じている。

 次は3位・川崎フロンターレとの多摩川クラシコ。覚醒する背番号11を中心に難敵を倒し、首位固めを狙う。

(取材・文:下河原基弘)

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最終更新:7/10(水) 12:23
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