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「キャプテン翼」などが好調のKLab 19年は新作リリースに期待

7/10(水) 6:00配信

日経クロストレンド

Q. KLabの好調は、複数の既存作品を長く運営し、その海外市場展開でも成功しているからですが、会社の成長を考えたら新作のリリースは必須です。新作を作るときの基本的な考え方はどういうものですか?

A. KLabの場合、既存の作品を運営して安定収益が得られています。これが会社としての基盤です。新作については、会社としてかけられるリソースの範囲内でチャレンジをするという考え方で作っています。

 そのチャレンジの方向も、「数を張る」という考え方と「狙い澄ます」という考え方が両極にあるとしたら、私たちは「狙い澄ます」方向でチャレンジをしています。できるだけいい企画にいいチームを編成して、高い品質のものを作るという考え方でやっています。

 その代わり、事前の調査、マーケティング、戦略は、かなり綿密に練り込んでいます。他社のタイトルと並んだときに、明確に差別化できるポイントに思い切って投資すべきと考えています。そこを躊躇(ちゅうちょ)すると、作品が埋もれてしまいます。

 例えば、19年4月にリリースした新作『禍つヴァールハイト』はRPGです。ユーザーがRPGを見たとき、最初に評価するポイントは、世界観やグラフィック、テーマといった、クリエーティブや作品性だと考えています。なので、クリエーティブはかなり力を入れて作り込み、プロモーションもその点に焦点を当てました。ユーザーが作品と最初に接するタッチポイントをいかに強くするかということ。この視点でマーケティング戦略を練っています。

 よくモバイルゲームのマーケットはレッドオーシャンだと言われます。確かに、競争は激しい。ただし、これまでと違った体験や異なった魅力を打ち出せた作品は、やっぱりヒットしています。レッドオーシャンだろうとブルーオーシャンだろうと、当たるか当たらないかは自分たち次第。ユーザーのニーズに応えた、いい作品を作ることができれば、どういう状況でも必ずヒット作を出せる。そう考えています。

Q. 自社IPのゲーム開発に力を入れる方針と伺いました。

A. 今後も継続して、オリジナルIPのゲームを作っていくつもりです。オリジナルIPのゲームが大ヒットしても、既存IPを活用したゲーム開発は続けていきます。両方やっていくというスタンスです。

 他社IPを活用したゲームに関しても、ゲーム発の新たなシリーズ・ストーリーなどを版元様と一緒に作っていく取り組みを行っています。

●社長になってもこれまで培った風土やカルチャーを大切にしていきたい

Q. 森田さんはゲーム事業を長く担当し、専務CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)からこのたび社長に就任しました。新社長に就いて大きく変わったことはありますか。

A. 近年は会社の主力がゲーム事業になっていたこともあり、会社の戦略とゲーム事業の戦略が近づいてきていたため、実務上の変化は少ないです。KLabをリードしていくという責任感や高い目標をクリアしていく決意、その想いや熱を周囲に伝えていきたい、といった私個人のマインド面は変わったと思います。

 KLabが培ってきた風土やカルチャーを大切にしていきたいと考えていますので、より自由で裁量やチャンスがある、スタッフ一人ひとりが能力を発揮できる会社へと進んでいきたいと考えています。

Q. 最後に、KLabとして19年に力を入れている作品は何ですか?

A. 19年は複数の新作をリリースする予定です。自社パブリッシングタイトルとしては、4月にリリースされた『禍つヴァールハイト』と、今後リリースが控えている『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS』です。非常にいい作品に仕上がってきていますので、期待していただきたいと思っています。どちらもKLabらしく、今までにないアプローチを取り入れている作品なので、既存IPのファンの方々にも、新鮮に遊んでいただけると思っています。



森田英克氏(もりた ひでかつ)氏

KLab 代表取締役社長 CEO

法政大学社会学部を卒業後、WEBプランナー、モバイルコンテンツプロデューサーを経て2002年にKLab(ケイ・ラボラトリー、当時)に入社。モバイルコンテンツの立ち上げ・運営を手がけ数々のヒットを生み出す。09年12月、モバイルオンラインゲームアプリ専門子会社設立に際し、同社取締役に就任。10年の同社とKLabの合併後、KLab執行役員KLabGames部長に就任。10年11月、取締役に就任。12年9月、専務取締役に就任 。19年3月 代表取締役社長に就任。

降旗 淳平

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最終更新:7/10(水) 6:00
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