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「老後2000万円」報告書は与野党ともに議論のたたき台とすべし (塚崎公義 大学教授)

7/11(木) 6:29配信

シェアーズカフェ・オンライン

先日から話題になっている金融庁の審議会が6月に出した報告書は様々な批判を浴びましたが、その多くは的外れなものでした。筆者は別の批判をしたいと思います。

■筆者の立場は年金制度に同情的
筆者は現在の年金制度に同情的です。「年金だけでは不足するなんて、ふざけるな」という議論に与するつもりはありません。

平均寿命が延びているのですから、過去に作られた年金制度がそのまま維持できる筈はありません。年金だけで暮らせない事自体を批判するのは的外れでしょう。

筆者は「人生100年時代なのだから、皆が70歳まで働いて70歳から年金を受け取るようにすれば、すべて解決する」と考えています。

しかし、庶民感情として「自分には二千万円なんて用意できない。政府は年金支給額を増やすべきだ」と感じる人が多い事は理解できます。そこで、マスコミや野党が「年金だけで生活できるようにしろ」と主張する事も理解できます。

そうであってもなお、そうした人々が今次報告書を批判している事は理解できないのです。

■今次報告書自体は、当たり前の事実の列挙
今次報告書は、内容的には当たり前の事が書いてあるだけなので、特に批判すべき所は無いと筆者は考えています。

「家計に関する調査の結果、高齢無職世帯は収入より5万円強だけ多く消費しており、その差額は預貯金を取り崩している。5万円強の30年分だと二千万円になる」というだけの事です。

したがってマスコミや野党としては、報告書を批判するのではなく、「報告書よ、ありがとう。政府の年金制度が如何に酷いものであるかを具体的な数字で示してくれた。これで我々が政府を追及する材料ができたぞ」と喜ぶべきなのです。

その上で野党やマスコミは「年金だけで暮らせるように年金支給額を5万円増やせ」と政府に要求すれば良いのです。

与党も政府も報告書の内容自体には問題が無いわけですから、しっかり受け取った上で「財源はどうするのだ?」と問い返し、与野党で議論をすれば良いのです。

参議院選挙の直前に野党が勢いづくような報告書が提出された事で政府与党が機嫌を損ねた事は確かでしょうが、だからといって内容にケチをつけるべきではありません。

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最終更新:7/11(木) 6:31
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