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ウサギはラッキーの象徴!──ポール・スミス 2020年春夏コレクション

7/11(木) 20:11配信

GQ JAPAN

ウサギはラッキーの象徴!──ポール・スミス 2020年春夏コレクション

【ポール・スミスの最新ルックをもっと見る!】

70年代のアメリカ

ダスティピンクの麻混のジャケット、剣先が尖るワイドなピークドラペル、そして6つボタンのダブルブレステッド、とくれば典型的な80sスタイル。しかしポールさんは、70年代のアメリカの思い出をこのコレクションに込めたと語る。

次のルックはホワイトのビッグジャケットに、同じホワイトのスリムパンツだ。その後はシングルのロング丈ジャケットも登場。ポールさん得意のテーラードが並ぶと、なんだか楽しくなってくる。彼が言う70年代は、普通の人々のそれではなかった。当時はヒッピー風のヘアスタイルやベルボトムジーンズが一般化していたが、彼が思いだすのは当時、ニューヨークのソーホー地区で活躍していたアーティストたち。

彼らは、アーティストがいかにも着ていそうな70sの流行、オーバーオールのペインタールックではなく、テーラードジャケットやカスタマイズのドレスシャツを個性的に着こなしていたという。

コレクションに登場するビッグジャケット&スリムパンツは、そんな姿の進化形なのだ。ゆえにカラーパレットもオレンジやブライトブルー、蛍光イエローなどポップアートの影響が目立つ。

しかし当時と違って、このコレクションから感じるのは「洗練と快適」である。70~80年代の暑苦しい熱狂とは違う、無駄をそぎ落とした感覚が心地よい。

そして、すっきりとしたシルエットには、インナーのナイロンパーカの光沢や、「壊れた」縫い目の刺し子風ブルゾン、シャイニーなピンストライプなど、素材による変化が奥行をもたらす。


ウサギ=ラッキーアニマル

今回、気になったディテールは、パンツのヒザ部分のダーツや太もものポケット。後者はジッパーがアクセントになる装飾的効果を狙ったものだろうが、ダーツはひざを曲げる時に役に立ちそう。

和室での接待用にそんなパンツがはければ、本当に便利かも。グレーストライプの3つボタンスーツは狙い目だ。そして花や星のプリントに混じって、コミック風の「ウサギ」のキャラクターがシャツやブルゾンの袖に!

じつは、ウサギはポールさんのラッキーアニマル。ショーの直前には、パートナーが必ず新しいウサギのマスコットやチャームをそっと、ポールさんにプレゼントするのだとか。


今回は、ショーのインヴィテーションにも、そんなオリジナルの「ポールバニー」の絵がついていた。ポールさんが手掛けるファッションショーは、これで82回目を迎えるという。そのテーマに彼は、初めてパートナーと買い付けに訪れたソーホーでの思い出を選んだ。

そして、今までは彼だけを守っていた秘密のお守り=ウサギを、みんなにも分けてくれた、のかもしれない。ポール・スミスのコレクションは、だから、いつも、楽しくて、あたたかい。

日置千弓

最終更新:7/11(木) 20:11
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