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Microsoftが“ゲームストリーミング用モバイルコントローラ”の特許取得 xCloud用Xboxの噂も

7/11(木) 7:05配信

リアルサウンド

 今年後半から本格的に立ち上がるゲームストリーミング市場では、Apple、Google、そしてMicrosoft・Sony連合がしのぎを削ることが予想されている。キープレイヤーのひとりであるMicrosoftは、こうした競争を見据えた特許を取得した。

・スマホの左右にはさむコントローラ
 テック系メディア『The Verge』は9日、Microsoftがゲームストリーミング用のモバイルコントローラに関する特許を取得したことを報じた。同社はPC、『Xbox』、そしてスマホに対応したゲームストリーミングサービス『xCloud』のリリースに向けて開発を進めている。構造が異なるデバイスに統一的にゲームを配信する際に問題となるのが、スマホとそのほかのゲームデバイスの差異である。PCと『Xbox』は画面を直接タップすることはないが、スマホは画面をタップしてゲームをプレイする。こうしたゲーム体験の差異が、しばしばゲーム機のゲームをスマホに移植する際のネックとなっていた。

 今回特許を取得したスマホ用ゲームコントローラは、スマホに『Xbox』でプレイしているかの体験をもたらすものである。具体的には『Xbox』用のコントローラを左右に分割して、分割したパーツをスマホの左右にはさむようにするのだ(トップ画像参照)。この設計は、『Nintendo Switch』の携帯モードに似ている。

 また『The Verge』が3月に公開した記事によると、MicrosoftはPCやゲーム機でもスマホのように画面をタップしてコントロールすることを可能とするタッチアダプテーションキットも開発している、とのこと。この報道と今回の特許を考慮すると、同社は『xCloud』のリリースに合わせて何らかの外付けデバイスを発表すると見てよいだろう。

・60ドルでゲームストリーミング
 『xCloud』に関しては、Microsoft製品専門ニュースメディア『MSPoweruser』が4日に『xCloud』用の『Xbox』の開発が進められていると報じた。『xCloud』においては『Stadia』のように画面描画のような負荷の大きい処理はサーバ側で実行するため、ユーザ側のデバイスに高性能な演算能力が不可欠ではない。こうした『xCloud』の仕様をふまえて、サーバとの通信機能に特化して必要最小限の機能だけを実装するのが『mini Xbox』という名前で噂されているデバイスだ。このデバイスはミニマムな性能を反映して、60ドル(約6,500円)で販売されるようだ。

 60ドルという『mini Xbox』の価格は、『Stadia』の初期投資額と比較するとその安さが実感できる。『Stadia』を利用するには、専用コントローラやChromecast Ultraを含む129ドル(約14,000円)の「Stadia Founder's Edition」を購入しなければならない。『xCloud』を利用するには『mini Xbox』に加えてコントローラが必要になると予想されるが、その初期投資額は129ドルより安くなるだろう。

・真のライバルはフォートナイト?
 以上のように料金体系とプレイ環境をめぐる競争が水面下で活発化している現状を受けて、『Business Insider』は10日にゲームストリーミングサービスに関する特集記事を公開した。この記事では、大きな関心が寄せられている『Apple Arcade』と『Stadia』について詳しく論じている。

 月額料金を支払うと100以上のゲームがiPhone、iPad、そしてMacでプレイできる『Apple Arcade』は、ゲーム機ゲーマーではなくモバイルゲーマーをターゲットとしていると見られている。というのも、ゲーム内広告やゲーム内課金がない『Apple Arcade』は今まで無料ゲームに親しんでいたモバイルゲーマーの相当数を取りこむポテンシャルがあるからだ。もっとも、無料ゲームをプレイしていたゲーマーを取りこむためには、無料ゲームより高品質なゲームを提供する必要があることも指摘されている。

 『Stadia』は『Apple Arcade』とは対照的に、『Play Station』や『Nintendo Switch』が形成する既存のゲーム機市場と競合する。こうした競合関係において『Stadia』が既存ゲーム機より優れている点は、プレイヤーのトータルな支出が少ないことである。既存ゲーム機はゲーム機本体に加えて、ゲームソフトを個別に購入しなければならない。対して、『Stadia』は月額料金と手持ちのPCやスマホだけでゲーム機のゲームに匹敵するものがプレイできる。しかし、ゲーム機の平均的な買い替えサイクルである5年で両方を比較すると、『Stadia』に600ドル(約65,000円)支出することになり、著しく安いコストというわけではなくなる。

 以上のように考察したうえで、特集記事は今後リリースされるゲームストリーミングサービスの最大のライバルは、『Fortnite(以下、フォートナイト)』のような大ヒット無料ゲームであると指摘する。そして、ゲームストリーミングサービスの成否は『Fortnite』のように長期的にプレイヤーの関心を喚起するゲームが作られるかにかかっている、と結論づけている。

 今後ますます激化するであろうゲームストリーミングサービスの覇者を予想するのは、現時点では難しい。しかし、ゲーマーに今よりさらに多くの選択肢が与えられるようになることは間違いないだろう。

吉本幸記

最終更新:7/11(木) 7:05
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