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【昭和の名車 26】いすゞ ベレット 1600GTRは、DOHCエンジンの搭載で一気に第一線へ復帰した

7/12(金) 6:30配信

Webモーターマガジン

いすゞ ベレット 1600GTR:昭和44年(1969年)9月発売

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。

【写真】リアビューやインパネ、最終型などを見る

1963年(昭和38年)の東京モーターショーに登場、翌1964年に市販が開始された「ベレG」ことベレットGTは、その後、並みいる強豪ライバルの出現でデビュー当初より少々魅力が色褪せてきた。

トヨタ1600GT、スカイラインGT-Rなど、「本格GT」にはDOHCエンジンが必要条件となりつつある時代。よく回るといってもOHVではいささか役不足であり、GTカーのイメージとしてもふさわしくない。

そこでいすゞは、1968年発表の117クーペ用に開発したDOHCエンジンのG161W型をベレットGTに移植することにした。このベレットの最強バージョンが、1600GTR(1970年以降1600GT・TypeRの表記も見られる)、型式名PR91Wである。

発売に先がけて、いすゞは1969年8月に開催された、鈴鹿12時間レースにアルミボディのベレット1600GT-Xをエントリー。トヨタ1600GTを抑えて総合優勝をなし遂げた(ドライバーは浅岡重輝/形山寛次)。これが市販型GTRのプロトタイプということになる。

ただ、このG161W型エンジンは117専用とされ、量産型DOHCではなく、コスト高(ヘッドがハンドメイドに近い)と生産量の問題で、すんなりとGTRの生産、販売が決まったわけではないという。

ともあれ、OHV時代からエンジンの耐久性には定評のあったベレGは、DOHCを搭載して一段とそのパフォーマンスに磨きをかけた。G161W・DOHCは、排気量1584cc(82×75mm)、圧縮比10.3、ソレックス/三国のキャブレターを2連装して、最高出力は120ps/6400rpm、最大トルクは14.5kgm/5000rpmを発生した。

車重は970kgで、馬力あたり重量は8.1kg/psとなる。4速マニュアルミッションを備え、0→400m加速は16.6秒、最高速は190km/hとなっていた。これは先発のライバル、トヨタ1600GT(RT55)をパワーで10ps、最高速度で15km/hも上回り、1.6Lクラスで第一級のスペックとなった。

エクステリア、ボディシェルはオリジナルのオーバルシェイプそのままだが、性能に見合った意匠が施されている。つや消し黒塗りのボンネットに、バンパーは分割式となり、内側に大径フォグランプを装着した精悍なスタイリングが特徴だ。

また室内もシートから天井まですべて黒色に統一した。そのシートも当時は珍しいバケットタイプで、ハンドルも太く革巻きとなっており、スポーツカーのイメージは満点だった。

シャシ関係は基本的には他のバージョンと構成は同じだが、リアサスペンションの横置きリーフ式コンペンセイターを1枚から3枚に増やし、ブレーキはサーボアシスト付きの前ディスク/後アルフィンドラムタイプとなっていた。タイヤは165HR-13ラジアルを履き、リミテッドスリップデフも標準装備されていた。

エンジン生産の量的な問題と、116万円という高額な価格もあり、ベレットGTRの月販は100~150台程度の少数ではあったが、独特のイタリア車のようなレーシングムードがマニアに愛され、1973年まで生産が続けられた。

なお、ベレットシリーズは1970年にはSOHC1.8Lの1800GTを追加、1971年には最後のマイナーチェンジを受けている(フェイスリフトと安全対策)。この最終型はオーバーデコレーション気味で、ベレGファンの評判はかんばしくなかった。

いすゞ ベレット 1600GTR 主要諸元

・全長×全幅×全高:4005×1495×1325mm
・ホイールベース:2350mm
・車両重量:970kg
・エンジン型式・種類:G161W型・直4 DOHC
・排気量:1584cc
・最高出力:120ps/6400rpm
・最大トルク:14.5kgm/5000rpm
・トランスミッション:4速MT
・タイヤサイズ:165HR-13
・車両価格:116万円

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最終更新:7/12(金) 6:30
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