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【写真特集】停電が続くガザの果てしない暗闇

7/12(金) 18:39配信

ニューズウィーク日本版

<深刻な電力不足で毎日最長20時間に及ぶ停電が続く一方で、ひと握りの富裕層は自前の発電機で不自由なく暮らす>

午後6時。パレスチナ自治区ガザでは、もうすぐやって来る日の入りと同時に辺りは暗闇に包まれ、多くの家庭ではろうそくに火がともる。ガザ地区は、深刻な電力不足によって毎日最長20時間に及ぶ停電に苦しめられているのだ。

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電力不足の原因は、パレスチナ自治政府の主要組織ファタハと、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの対立だ。ファタハによってガザへの石油供給が制限され、ガザでは石油価格が高騰。石油を要する発電がままならなくなっている。ガザ地区の貧困率は80%を超え、一般家庭が発電機と石油を購入することは不可能に近い。その一方、ごくひと握りの富裕層は自前の発電機で不自由なく暮らすという「電力格差」が生まれている。

貧困層に追い打ちをかけたのが、イスラエルに肩入れするトランプ米政権だ。昨年9月、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を停止し、状況を悪化させた。見かねたEUが電力不足と保健衛生の支援に特化してUNRWAに追加の資金拠出を決めたが、今年4月にはパレスチナ自治政府がファタハ中心の新内閣を発足させ、パレスチナの分断は一層深刻化している。ガザの未来は暗闇に包まれたままだ。

Photographs by Chloe Sharrock

撮影:クロエ・シャロック
1992年、仏シャモニー生まれのフォトジャーナリスト、ビデオグラファー。リヨンの大学で美術史、パリ第8大学で映画制作を学び、現在は中東を中心に紛争社会、平和の構築におけるジェンダー問題をテーマに活動

<本誌2019年5月21日号掲載>

Photographs by CHLOE SHARROCK

最終更新:7/12(金) 18:39
ニューズウィーク日本版

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