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AIで新薬開発の英企業「BenevolentAI」が、ユニコーンから転落の危機

7/12(金) 6:30配信

Forbes JAPAN

AI(人工知能)を活用して、創薬を行うロンドンのスタートアップが「BenevolentAI」だ。昨年4月に1億1500万ドルを調達したBenevolentAIの企業価値は20億ドルとされたが、次回の調達にあたり同社は大幅に評価額を引き下げると英紙タイムズが報道した。

フェイスブックの欧州支社長を務めたBaroness Joanna Shieldsが率いるBenevolentAIは、AIで新薬の発見や開発、テストを効率化し、新たな医薬品を市場にもたらそうとしている。同社は臨床試験や学術論文を含む医療データを取り扱うプラットフォームを構築したが、その実用性はまだ検証段階だ。

2013年にKen Mulvanyが設立した同社は、新たな資金調達に向けシンガポールの政府系ファンド、テマセクらと面談を行ったとタイムズは報じた。

複数の関係者がタイムズに語ったところによると、BenevolentAIの評価額は前回の半分以下にダウングレードされる可能性があるという。これが真実であれば、同社は評価額10億ドル以上の、ユニコーンの地位から転落することになる。

BenevolentAIの既存出資元にはNeil Woodfordがあげられるが、同社が運営するファンドは最近、非上場企業への過剰投資や冴えないパフォーマンスで、出身者から強い非難を浴びた。Equity Incomeという名のそのファンドは、最盛期に128億ドルの運用額を誇ったが、資金の引き出しが相次いだ結果、現在は46億ドルにまで縮小した。

2018年にBenevolentAIは2680万ポンドの損失を計上した。売上は680万ポンドをやや上回る水準だった。同社の収益源の一つは大手製薬企業へのテクノロジーのライセンス提供であり、今年4月にはアストラゼネカとの提携をアナウンスしていた。

同社のコスト増の主要因は、AIやマシンラーニング分野の人件費の高騰にある。AI研究者らは数十万ドル規模のサラリーを要求することが一般的で、トップ研究者の年収は100万ドルを超える。

人材獲得の競争が激化するロンドンで、BenevolentAIはグーグルのディープマインドやフェイスブック、バビロンヘルスらに打ち勝つ必要がある。同社の広報担当は「急成長を遂げる当社のような企業は常に、新たな出資元の選定にあたっている。しかし、今回の報道は事実ではない。当社はまだ次回の出資や評価額に関して一切合意していない」と述べた。

Sam Shead

最終更新:7/12(金) 6:30
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