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悪化の一途の日韓関係を米国が傍観する理由

7/12(金) 6:15配信

JBpress

■ 「日韓貿易戦争」とはしゃぐ米メディア

 日本政府は7月4日、半導体や有機ELパネルなどの製造に使われる3品目のハイテク関連素材に関する「包括的輸出許可制度」対象から韓国を除外した。

 日本政府は、こう説明している。

 「文在寅政権が徴用工問題はじめ慰安婦問題などすでに両国政府間で取り交わしていた外交上の約束事を一方的に反故にしたこととは無関係だ」

 「韓国が対北朝鮮経済制裁に反して北朝鮮に物資を流している。最恵国待遇に匹敵する『ホワイト国』の対象国としての信用を失ったためだ」

 日本政府はあくまでも「報復措置ではない」と否定している。

 しかし、一部米メディアは「ドナルド・トランプ大統領が中国に仕かけているトランプ流を真似た日本の報復措置」(ウォール・ストリート・ジャーナル)と燥いでいる。

 まだ大々的な報道ではないが、テレビではNBCが同じようなトーンで日韓の確執をかなり詳細に報じている。

 (https://www.cnbc.com/2019/07/08/japan-south-korea-tensions-appear-set-to-drag-down-trade.html)

 東アジアに関心のある専門家や日韓オタクも東アジアでは「米中貿易戦争」に加え、「日韓貿易戦争」の様相を呈してきたと見ている。

 米一般大衆の大半はまだ日韓の対立については知らないようだが、韓国製のスマートフォンは米国内でも出回っている。

 「日韓貿易戦争」が長引けば、日韓関係には無関心なトランプ大統領の支持者の間でも話題になるだろう。票田の南部や中西部に住む一般大衆にも若干の影響は出てくるだろう。

■ いずれトランプ大統領が仲裁してくれるはず 韓国の甘い期待

 日本や韓国で言い争いが起こると、兄貴分の米国がしゃしゃり出てきた。日本と韓国は、米国にとってはともに「同盟国」関係にある。

 その両者が喧嘩をすれば、東アジアにおける米国の国益に反する。だから仲裁役を買って出る。

 少なくとも米外交政策に携わってきた米政府当局者はそう判断し、行動してきた。現に2014年3月、バラク・オバマ大統領が安倍晋三首相と朴槿恵大統領との間を取り持った。

 そうした経緯もあり、韓国メディアによると、韓国政府部内には「遅かれ早かれ、米国がまた韓日の対立解消のために本格的に介入してくれるだろう」といった希望的観測が出始めているという。

 希望的観測が出る根拠がないわけではない。

 国務省朝鮮部長だったジョイ・ヤマモト氏(6月28日に退官)は、6月24日、ワシントンで開かれた戦略国際問題研究所(CSIS)と韓国国際交流財団共催の会議でこう述べている。

 「韓国も日本も米国にとっては非常に重要な同盟国である。日韓相互間の協力もまた非常に需要だ」

 「これらの同盟関係が強力でなければ北朝鮮との(非核化を巡る)交渉は成功しない。遺憾なことに現時点での両国の関係は良くない。この状況を解きほぐすのに米国ができることあればやる」

 (https://www.c-span.org/video/? 462007-5/us-south-korea-relations-asia-pacific-security-panel-2)

 ところが日本政府には、米国に仲介役を頼むような空気はさらさらないようだ。その理由は、後述したい。

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最終更新:7/12(金) 10:30
JBpress

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