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北朝鮮への「横流し疑惑」で、韓国半導体産業の終わりの始まり

7/12(金) 17:45配信

デイリー新潮

 韓国の半導体産業が衰退のとば口に立った。「横流し疑惑」で開いたパンドラの箱から「地政学リスク」が飛び出したからだ。韓国観察者の鈴置高史氏が対話形式で読み解く。

「寸止め」の輸出管理強化

――世界の半導体産業は大変なことになりましたね。

鈴置: それが「大変なこと」にはなっていないのです。韓国が得意とするのがメモリー、つまり情報を記憶する半導体です。ところが、その2大アイテムであるDRAMもNAND型フラッシュメモリーも、国際的な価格は落ちついています。

「北朝鮮に核関連物質を横流しする怪しい国」と日本政府が韓国を認定しました(「日本に『怪しい国』認定された韓国 文在寅は『受けて立つ』というが、保守派は猛反発」参照)。

 7月1日に韓国向けのIT素材の輸出管理を強化すると発表したのですが、それ以降も半導体市況に特段の動きは見られないのです。

――「半導体価格が急騰。世界は混乱に陥って日本への非難が高まる」と思っていました。

鈴置: 韓国紙の日本語版や日本の左派系紙を読んで、そう思い込んでいる人が多い。恐ろしい誤解です。

 今、半導体は不況の真っ最中。一年前と比べ、メモリーの価格は半値になっていました。市場にあふれているので、日本が輸出管理を強化しようが、ユーザーは焦って手当てしようとはしません。だから市況が安定しているのです。

 サムスン電子のバランス・シートを見ると、2019年3月末時点の在庫資産は31兆4560億ウォン。1年前と比べ8・8%増です。相当部分が売れ残ったDRAMと見られています。

 半導体価格が上がらないもう1つの理由は、日本の規制強化が「寸止め」になっていることです。

「日本の輸出規制、韓国では『単なる報復ではなく、韓国潰し』と戦々恐々」でも書きましたが、韓国企業がメモリー生産に使っている素材は管理強化の対象ではないのです。

 確かに輸出管理を強化した3品目の1つ、レジスト(感光材)は半導体の製造に使います。しかし日本政府が管理を強化したレジストは極めて高品位のもので、メモリー製造用ではありません。

 だから、仮に日本からレジストの輸入が減っても韓国メーカーは直ちには困らない。輸出強化の対象となったエッチングガス(フッ化水素)も同様で、これに関してもメディアが大騒ぎするほど、韓国の半導体メーカーは困らないそうです。

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最終更新:7/12(金) 18:43
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