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北朝鮮への「横流し疑惑」で、韓国半導体産業の終わりの始まり

7/12(金) 17:45配信

デイリー新潮

事実を無視する左派系紙

――「日本経済に打撃」と書く新聞があります。

鈴置: 毎日新聞は「売り上げが減るフッ化水素など日本の素材メーカーが打撃を受ける」と報じました。「クローズアップ 対韓輸出規制 徴用工、通商で揺さぶり 資産売却、期限迫り」(7月2日)です。

 でも、韓国の半導体メーカーへの輸出が減ったとしても、その分、増産する日本や米国の半導体メーカーが買ってくれるのだから同じことです。

 東京新聞の「【核心】対韓輸出規制 保護主義 日本にも痛み」(7月2日)や、朝日新聞の「韓国半導体危機、日本に余波 輸出規制、韓国『在庫多くて数カ月分』」(7月4日)も「返り血」を心配しました。

 日本の半導体製造装置メーカーは輸出先を失う。韓国の半導体を輸入していた日本の会社も部品不足で困る、との理屈です。

 しかし半導体製造装置は、韓国企業の衰退の代わりに能力を増強する日・米の企業に売れることになります。韓国製半導体のユーザーは日・米メーカーから調達することになるでしょう。

 産業の実態や変化を調べずに、「大変なことになる」「安倍が悪い」と書くのは無責任極まりないと思います。

韓国から逃げだすユーザー

――日本政府は輸出管理の強化を武器に、韓国2社のシェアを落としていくのですね。

鈴置: 日本政府が誘導する必要はないかもしれません。なぜなら、韓国2社の半導体を買っていた世界の会社が、調達先を多様化して日・米の半導体メーカーへの注文を増やすであろうからです。

 いつ供給不安に陥るか分からない会社を頼りにはできません。日韓の摩擦がこれだけ有名になったのですから、もし韓国企業に依存し続け半導体の手当てに失敗したら、株主から訴えられてしまいます。

 世界のビジネスマンは米政府の動きに注目しています。もし、日本の輸出管理の強化に米国が口を挟むなら、今回の事件は日本の暴走と見なされたでしょう。

 しかし、米国は10日たっても動かない。そこで「日本は米国にお墨付きをもらっているのだな」と世界の関係者は見なし始めました。

 7月10日、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官はポンペオ(Mike Pompeo)国務長官に電話し、日本を非難しました。

 韓国外交部の発表によると「日本の措置は米国企業にも世界の貿易秩序にも悪影響を与える」と訴え、これに対しポンペオ長官は「理解する」を表明したそうです。要は「一応、話は聞いた」ということでしょう。

 韓国政府は高官も相次ぎワシントンに送っています。が、米国は日本の措置に見るべき反応を示していません。国務省も「日韓は共に米国の友人であり、同盟国だ」と原則論を述べるばかりです。

「米国は韓国を助けないな」と見た半導体のユーザーは、韓国の半導体産業の将来に疑問を持って、調達先を韓国から日・米に切り替えるでしょう。

 すでにその動きが表面化しています。日経は「対韓輸出規制、広がる影響 VAIOは代替調達検討」(7月9日)で、ソニーから分社したパソコンメーカーのVAIO(バイオ、長野県安曇野市)が半導体を韓国以外から調達するよう検討し始めたと報じました。

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最終更新:7/25(木) 11:21
デイリー新潮

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