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ドラフトは人生が変わる場所。王子→広島→王子、川口盛外の場合。

7/12(金) 18:21配信

Number Web

 今回、『Number』カープ特集の「スカウトに『発掘眼』を学べ」の記事では、広島・松本有史スカウトが活動の中で関わった多くの関係者の方たちから、お話を伺う機会をいただいた。

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 記事の中に盛り込めなかった中にも興味深い内容がいくつもあったので、この場をお借りして、そんな「こぼれ話」をご披露したい。

 西川龍馬選手の話を伺いに「社会人・王子」のグラウンドを訪れた時に、何かとお世話をしてくださった川口盛外(たけと)マネージャー。

 実はこの方、元・赤ヘル戦士である。

中継ぎでいける、という確信。

 静岡高のエースとして甲子園にも出場し、早稲田大では準硬式野球部の「絶対的エース」として君臨し、4年間で34勝と“無敵”の大活躍。そこから王子製紙に入社して、やはり左腕のエースとして奮投した。

 1年目から都市対抗野球でチームの準優勝に貢献して、新人王に相当する「若獅子賞」を獲得する大活躍。

 その覇気に満ちた投げっぷりに、東海地区担当・松本スカウトの心の針がビビッと動いた。

 「本人、まっすぐのつもりで投げているボールが全部カットボールなんですよ。右打者の内角をガンガン突いていくピッチングで、打者のバットを粉砕した場面、何度見たことか……」

 どうしてそんな“クセ球”になるのか。

 川口投手の左の手首がほんの少し内側に曲がっているのを、松本スカウトは発見した。

 「左手を空に向けた状態で、ちょっと小指側に傾いている。そのままストレートの握りで投げれば、スライダー回転になりますよね」

 打者の手元でキュッと動くこのボールがあれば、中継ぎでいける。

2年のファーム生活の後、王子に復帰。

 社会人2年目が終わった秋、川口投手はドラフト6位で広島カープに入団した。

 しかし、キュッとカットボール状に動いていた「ストレート」が、プロに入ってから次第に動かなくなり、普通のストレートになってしまった。そうなると、いくら左腕でも球速帯が135キロ前後の川口投手には、プロは厳しかった。

 2年間のファームでの奮投が終わったところで広島カープを退団。古巣の「王子」にカムバックしていた。

 川口投手の社会人2年目にピッチングを受ける取材をさせてもらってから、彼とは顔なじみになっていた。

 王子に戻ってまず投手として投げ、その後に「アマチュア資格」を取得するとコーチとしてもチームに貢献してきた。

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最終更新:7/14(日) 10:31
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