ここから本文です

都心のマイホーム 定年後は「貸して引っ越して借りる」が正解か

7/13(土) 7:00配信

マネーポストWEB

 定年後の生活設計を見直していく上で、最も効果が大きいと考えられるのが「住」の見直しである。

 多くの人にとってマイホームは“人生最大の資産”である。その一方、子供たちが巣立ってからは空き部屋が生じ、夫婦で暮らすには大きすぎることが少なくない。

 ライフスタイルの変化に応じて、この最大資産のあり方を見直し、生活の基盤となる住まいを最適化する必要がある。

 都心のマンションに妻と暮らす66歳の太田さん(仮名)は最近会社を退職した。現役時代に新築で購入したマンションはJRの駅から徒歩5分という好立地で、4000万円の35年ローンは完済している。

「夫婦で月22万円の年金と少ない貯金ではこれからの生活が不安です。マンションを手放して生活費のかからない郊外でゆとりを持って過ごそうと不動産会社に相談したところ、A社は『このマンションは3600万円で売れるから、すぐ売却すべき』と言い、B社は『手取り20万円程度で貸しに出したほうがいい』と勧めるので悩みました。借り手がつくか心配でしたが、最後に妻が『思い出が詰まっているから売りたくない』と言い出し、最終的に賃貸に出して郊外に移り住むことにしました」(太田さん)

 この場合、自宅を売るか、貸すかの選択が重要だ。榊マンション市場研究所主宰の榊淳司氏は「貸して引っ越すのが正解」と指摘する。

「太田さんのように都心の駅近の物件なら築35年のマンションでも十分借り手はあります。売却すれば3600万円もらって終わりですが、月20万円で賃貸すれば15年間で家賃収入が3600万円になり、マンションも残る。15年後に資産価値が半分程度に下がったとしても、まだ1800万円くらいの資産が残る。駅近のいい物件は貸した方が絶対に得です」

 一方、住み替える家は買うより「借りる」ほうがベターだという。

「次の家をすぐ買ってしまうと“住みにくいな”と思ったときになかなか引っ越しにくい。だから賃貸にしておく。郊外であればやや広めのマンションでも家賃15万円くらいで借りることができるから、20万円の家賃収入があれば差し引き5万円がそっくり家計の足しになります」(同前)

 このやり方なら、将来、郊外の賃貸を出て老人ホーム入居を考えるときも、元の自宅を売却して入居一時金にあてるか、家賃収入20万円をホームの月々の利用料に回すかを選択できる。

 都心に資産価値の高いマンションを持っている場合、郊外への住み替えで「不動産資産」を老後の生活費に有効に活用できるのだ。

 一番もったいないのは、都心の自宅に住み続けて資産価値を減らしていくことなのだ。

※週刊ポスト2019年7月19・26日号

最終更新:7/13(土) 7:00
マネーポストWEB

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい