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「消耗品の買い物をIoTやAIで究極まで便利に」 ローランド・ベルガーの長島社長とスマートショッピングの林社長が対談

7/13(土) 9:31配信

日経BizGate

リピート買いするすべての商品の購買を自動化

 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島 聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第26回はスマートショッピングの林 英俊 氏(共同創業者・代表取締役)です。

長島 以前、弊社で一緒に働いていたころの記憶がまだ鮮明にありますが、もう10年ぐらい前になりますかね?

林 2005年から留学も含め6年半強にわたり、ローランド・ベルガーに在籍していました。新卒で入社し、ビジネスのイロハを鍛えていただいています。マネジャーになったあと、EC(電子商取引)事業者へ転職しましたが、楽しかったですね。

長島 そのEC事業者を辞めて、いつスマートショッピングを創業されたのですか。

林 2014年秋に創業したので今年で5年目になります。もともとはBtoC(消費者向け取引)の市場で消耗品の買い物を究極まで便利にしたいというビジョンを出発点にビジネスを始めましたが、昨年には、BtoB(企業間取引)の消耗品購買支援サービスにもビジネスを拡大しています。

長島 御社がサービスの対象にしている消耗品というのは、例えばどのようなものでしょうか?

林 BtoCでは、飲料水やコーヒーの豆などが、BtoBではダンボールやネジ、ボルトなどが主な対象商品です。介護用のおむつ、医療用の点滴なども含めると、いわゆるリピート買いする商品はすべてが対象と言えるでしょう。こうした消耗品に着目したのは、その市場の大きさです。起業した時点のBtoC市場は約120兆円でしたが、その半分以上を消耗品が占めていました。

長島 大変大きな市場ですよね。

林 消耗品の多くは購入頻度が高いため、低単価でありながら市場規模が大きいのです。しかし、その買い物はコンビニが増えて便利になった程度の変化にとどまっています。アパレル、家電、書籍は、ネット通販によって購入方法が大きく変革されましたが、消耗品は、配送コストがかかることもあり、ネット通販があまり便利とはいえません。

長島 まとめ買いすれば、もちろん事業者のコスト削減にはなりますが、利用者は不便です。

林 そこで消耗品市場における購買方法の変革を、日用品・食品で目指したのが、弊社のBtoC向けサービスです。このサービスでは、おすすめの商品について、どのECサイトがいちばん安いのかが簡単にわかるうえ、商品の購入代行までができるようになっており、「ネットコンシェルジュ」と呼んでいます。

長島 消費者ごとに「こんな商品はいかがですか」とお薦めする場合もありますか?

林 購買履歴やサイト閲覧履歴などをもとに、消費者があえて相談しなくても気の利いた商品を薦めます。

 もう1つのBtoB向けサービスは消耗品の在庫管理を軸に、棚卸しから発注までを自動化する仕組みを、すべてのモノをインターネットにつなぐIoTで実現します。板状の「スマートマット」というデバイスを活用し、マットの上に置いた商品の重さをもとに在庫を管理します。スマートマットは、A4サイズとA3サイズの2種類を用意しています。

長島 スマートマットの上に商品を積むと在庫量がわかるわけですね。

林 スマートマットは電池で駆動し、重量データは無線通信で送るため、配線はいっさい必要ありません。A3サイズのマットは100キロまで、A4サイズのマットは30キロまで対応しています。マットを複数枚活用すればさらに大きな重量まで測定できます。A3サイズのマット4枚を物流パレットの四隅に配置すれば400キロまで測定可能です。

長島 マットの枚数をさらに増やせば、より重量のある商品の在庫も管理できますね。

林 1トンの鉄板を10枚のマットを使って測定している例もあります。

長島 マットで測定した商品の重量はクラウドへ飛び、そのデータをもとに自動発注をして、商品が届いたら、またマットの上に商品を置くまでが一つのサイクルで、最初のサイクルでチューニングも終わるみたいな、利用イメージでしょうか。

林 利用者は最初に、マットを無線LANネットワークへ接続するとともに、商品在庫を個数として定義するのか、重量のパーセンテージとして定義するのかといった設定を行いますが、それが終わればすべて自動です。

長島 人工知能(AI)で適正在庫量を学習することもできますか?

林 それについては開発中です。

長島 実現すれば、企業は在庫管理の手間がほぼなくなりますね。

林 はい。われわれは、IoTビジネスの本質は、軽いハードウエアと賢いソフトウエアを使ったデータビジネスだと考えています。そのため、消耗品の購買データは利用者が個別に最適化などで使うだけでなく、統計的にデータを活用することで付加価値を出すことができると創業時から考えてきました。そのデータ活用についてもビジネスを始めています。

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最終更新:7/13(土) 9:31
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