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進歩した白内障手術だが…患者の不満・後悔が増えているワケ

7/13(土) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

80歳を超えるとほぼ100%の割合で発症するといわれる白内障。技術が飛躍的に進歩し、誰もが気軽に受けられる手術になった一方で、術後の不満や後悔の声は少なくありません。本連載では、年間1000件以上の日帰り白内障手術を手掛ける、医療法人敬生会フジモト眼科・理事長兼院長の藤本雅彦氏が、術式、費用、手術の最適なタイミングなど、一生に一度の「白内障手術」で後悔しないための基礎知識をわかりやすく解説します。

「白内障」は以前よりも簡単な手術で治せる病気に

白内障は、80歳を超えると誰もがかかる目の病気です。図表は、年齢層による白内障の罹患率を示しています。これを見ると、60代では半数以上の人が初期の水晶体混濁を発症し、70代で84~97%、80歳以上は100%発症することが分かります。


 

初期に混濁が起きる場所は、人によって異なります。中心部(核)に濁りがあると「目がかすむ」「以前よりまぶしい」などの違和感を抱きやすいのですが、中心部が透明のままであれば視力は低下しません。したがって本人も支障を感じないまま、白内障が始まっているケースもあります。

混濁がひどくなると、一様に視力が低下して日常生活に困難をきたします。図表の「進行した水晶体混濁」の項は、そうした症状の人の割合を指すものです。

70代で半数以上の人が、80歳以上では67~83%の人が、白内障手術を必要とする状態にまで進行しています。

昔の白内障手術は手術時間も長く、合併症も多かったため、多くの人は手術を受けずに、日常の不自由さを我慢して過ごしていました。しかし、現在では「白内障は以前よりも簡単な手術で治せる病気」という評価が定着しつつあります。

日本国内で行われている白内障手術の件数は現在、年間約140万件にのぼります。1992年当時は年間30万件弱だったので、数十年前と比較すると4倍以上も増加しているのです。

その背景にはもちろん高齢者数の増加がありますが、大きな要因としては、今日の白内障手術の技術が飛躍的に進歩したことが挙げられます。

白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、その部分に人工のレンズを入れる手術です。この水晶体の役割を果たす人工のレンズは時代とともに、「単焦点眼内レンズ」「多焦点眼内レンズ」など、さまざまなタイプのものが作られるようになりました。

連載第4回で詳しく説明しますが、「超音波乳化吸引装置」という手術機器が発達し、それに伴い「超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入術」という手術方法が開発されました。患者さんの目の状態によって異なりますが、現在、日本で行われている白内障手術のほとんどがこの「超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入術」といわれています。

需要の拡大とともに症例数が増え、広く浸透した白内障手術により、日本全国、どの病院・クリニックへ行っても、一定の質を担保した白内障手術を日帰りで受けられる状態になりました。

ところが近年、白内障手術に関する不満や後悔の声を見聞きします。学会の報告で取り上げられることもありますし、新聞や雑誌、ニュースなどでも話題になっているようです。私自身、外来患者さんから家族や友人・知人の体験談を打ち明けられることも少なくありません。

白内障手術への不満や後悔の声がだんだん募ってきたのはどうしてでしょうか?

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最終更新:7/13(土) 9:00
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