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「年収130万円の壁」を誤解してない? 損しているケースが続出中

7/13(土) 9:00配信

現代ビジネス

「年収」への誤解

 金融庁の報告書をめぐる「老後資金2000万円問題」が話題になっているが、いくら貯めるのかということと同じくらい、じつはいかに「生活コストを削減するか」が重要な課題となってくる。

役所があえて教えない、申請すれば「もらえるお金・戻ってくるお金」

 たとえば当たり前のように支払っている健康保険料。この支払いをめぐって日本中で誤解が広がっており、損しているケースが続出していることはあまり知られていないのではないだろうか。

 以前、本連載の「<ゼロからわかる>退職後の健康保険、一番トクする選び方と注意点 」で、退職後の健康保険選びについてご紹介した。おもに3つの選択肢のうち、最も保険料負担が軽いのが、配偶者・パートナー、子どもなど家族等の被扶養者になることだ。

 ただし、被扶養者になるためには、年収などの条件があり、それをクリアしなければならない。ところが、この「年収」に関して多くの人が誤解をしているようなのである。

 先日、あるご夫婦が今後のライフプランについてご相談のため、筆者のもとを訪れた。

 夫の田中一男さん(仮名・57歳)、妻の陽子さん(同・59歳)は、妻が年上の、いわゆるシニア婚カップルで、10年ほど前に結婚。夫婦共働きで、子どもはいない。これまで、とくに健康に問題はなかったが、1年前に人間ドックを受診したところ、一男さんに前立腺がんが見つかった。

 一男さんは、手術後、放射線治療を受けることになったのだが、一般的に、前立腺がんの場合、76Gyを38回照射、月曜日から金曜日まで約8週間にわたり、治療する必要がある。

 一男さんは契約社員で、その治療期間の旨を会社に伝えると、「次の契約の更新はできない」と言われ、会社を辞めざるを得なくなったという。

妻の扶養に入ることを「拒む人たち」

 現在は、治療をしながら、雇用保険の基本手当を受給中である。

 一方、妻の陽子さんは、正社員で60歳の定年退職後も63歳まで継続雇用ができるという。60歳以降、年収は減るものの、しばらくは安定して働ける見込みだ。

 今後の田中さんご夫婦の生活について、家計収支を見ながら、色々とアドバイスをしたのですが、お二人が頑なに「それはムリだと思います」と難色を示した提案があった。

 それは、「一男さんが陽子さんの扶養に入ること」である。

 現在、一男さんは、国民健康保険に加入し、国民年金第一号被保険者となっている。当然、年齢的に介護保険の被保険者でもあるため、介護保険料もかかっている。

 仮に、年収100万円の場合(単身世帯)、介護分も含めた国民健康保険料は月額約6,300円(年額約75,600円)(全国平均の保険料率から試算)。国民年金保険料は月額16,410円(年額196,920円)(2019年度価格)。

 合計すると、毎月約22,710円(年額272,520円)の社会保険料負担があることになる。

 そして、陽子さんは、勤務先の健康保険組合の被保険者であるため、一男さんが陽子さんの被扶養者になれば保険料負担はなくなる(=ゼロ円になる)ため、このお金が節約できる。扶養家族が増えたとしても陽子さんの保険料がアップすることはない。

 しかも、陽子さんが加入している健康保険組合には、手厚い「付加給付」があり、医療機関への支払いが25,000円を超えれば、組合独自の付加給付金として支給される(被保険者本人の場合は「一部負担還元金」、被扶養者の場合は「家族療養費付加金」)。

 今後もしばらくは治療が続く予定の一男さんにとって、社会保険料の負担だけでなく、医療費も軽減できるわけだから、FPとして勧めない理由はない。

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最終更新:7/13(土) 9:00
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