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情報重視の時代に“純粋なお笑い番組”を!逆境に挑む「ウケメン」演出家に聞く

7/13(土) 10:00配信

ザテレビジョン

特番として過去5回放送された、若手芸人が新ネタ・コント、新企画に挑戦する“日本で一番フレッシュなお笑い番組”「ウケメン」(夜1:45-2:45、フジテレビ)が、8月2日(金)から月に1回のレギュラー放送に昇格する。

【写真を見る】ウケメンポーズをするメンバーと尾崎世界観(写真中央)

同番組で演出を担当する石川隼さんは、今や人気者となった霜降り明星、ハナコ、ゆりやんレトリィバァなど、“お笑い第七世代”とも呼ばれる彼らの実力を早々に見いだし、賞レース優勝前に「新しい波24」(2017年)や「AI-TV」(2017~2018年)で起用していた。

そんな石川さんがまだまだ無名の若手芸人たちと挑む新たなお笑い番組、そして、過去の担当番組などについても話を聞いた。

■ レギュラー放送ではコントやロケをメインに

――「ウケメン」というタイトルに込めた意味や番組のコンセプトを教えてください。

今後のバラエティー番組で活躍できるような、コントもトークも企画モノももちろんネタもできる、本当に“ウケるメンツ”を見つけたいというのが最初のコンセプトにありました。

それから、今、人気の芸人さんは、面白いことは大前提で、女性人気みたいなものも重要だと思うんです。なので、女性目線も意識して「ウケメン」という名前にしました。

――レギュラー化に対して率直な気持ちをお聞かせください。

めっちゃうれしいです。でも、まだ月1レギュラーなので、ここから毎週レギュラーになって、徐々に時間帯を上がっていけたらいいなと思っています。

――レギュラー化に当たって番組自体に変化はありますか?

今までは特番の1時間番組だったので、半分くらいはスタジオ企画、もう半分くらいはコントやロケのような形でしたが、(レギュラー放送からは)結構ストイックに、コントやロケをがっつり増やしています。

■ 芸人とスタッフが一緒に成長していくことを意識

――回を重ねる中で「ウケメン」の芸人の印象に変化はありますか?

最初に出会った時は、テレビ初出演の芸人さんばかりでしたが、今は相当頼もしくなってきているなと思います。(台本のない)フリーなところでも面白くしてくれているなというのを感じますね。

――芸人側から番組へ提案されることもあるのでしょうか?

もちろんありますね。「こういうのどう?」とこちらから聞くことや、企画段階から話をすることもあります。スタッフも結構若いので、一緒に頑張ろうという空気があるんです。

――石川さんは、今までも多くの若手芸人を起用した番組を担当されています。スタッフと若手芸人が一緒になって成長していくというのは、今までも番組作りで意識されてきたことですか?

テレビマンがうれしい瞬間というのは、視聴率がいいとかネットなどで話題になるとか、いくつかあると思いますが、いろいろある中で僕が一番うれしいのは、自分が面白いと思った人たちを世の中に出して、その人たちがハネる瞬間なんです。それでその人たちが話題になって、他の番組にも出演してというような。そういう瞬間に一番やりがいを感じるので、やっぱり一緒になって成長していくということは意識しています。

――実際に「AI-TV」からは、ゆりやんレトリィバァさん、ハナコさん、霜降り明星さんといった賞レースの王者も誕生しましたね。(※ハナコ、霜降り明星は番組放送終了後に優勝)

その時はめちゃくちゃうれしかったですね。あと2年早かったらなとは思いましたが…(笑)。

でも、「AI-TV」をやっている当時も、周りから何と言われようと「(霜降り明星は)絶対M-1取りますから」と僕は言っていたんですよ。少し時間はかかりましたが、ちゃんと取ってくれたのでうれしかったですね。その頃から、彼らは今後、絶対活躍するだろうなという自信がありました。

■ フジテレビの深夜バラエティー育ち

――「ウケメン」では、レギュラーである6組の芸人を選出する際にTwitterを使用されていました。SNSを番組作りに使用した狙いは何だったのでしょうか?

ここ最近のお笑い芸人さんの人気の出方を見ると、SNSが大事なんじゃないかなと思ったんですよね。例えば、ブルゾンちえみさんとか。あとは、テレビを見ないネットユーザーにも見てもらえるというところですね。それから、放送後でも(Twitterで公開した)動画を見ることができるという点もよかったかなと思います。

――SNSの使用の他にも、今まで担当された「AI-TV」ではPepperがMC、特番の「クーリングオフ型ネタ見せ番組 金返せショー」では、番組名の通り新たな試みをするなど、斬新なアイデアの番組が多いように感じます。「ウケメン」で挑戦したいことはありますか?

「ウケメン」は本当に何でも挑戦できる場なので、8月2日(金)放送回でやるコントも、僕のやりたいことが詰まっています。僕が日常で思ったことをコントにしたり、ちょっとした社会風刺的なものだったり、いろいろ盛り込んでいますね。

――今までの「ウケメン」のコントを見ていて、昔の“フジテレビの深夜バラエティー”の感じをすごく思い出しました。

そうでしょう?(笑) 僕もそれ育ちで、昔のフジテレビが大好きなので、その頃のような空気を出したいなという思いで番組を作っています。

――企画のアイデアは日常生活で目にした物から得ることが多いですか?

スタートは実際に起きたことですかね。コントを作る作業は、自分をさらけ出す作業だなと思います。結構恥ずかしいですよ(笑)。

今回も、作家さんと“自分へのご褒美はする派?”という話になり、僕はめっちゃする派なのですが、そういった僕の体験から8月2日(金)放送回でやるコントが一つできています。

■ 尾崎世界観がテーマソングを担当

――8月2日(金)放送回にゲスト出演されるクリープハイプの尾崎世界観さんは、「ウケメン」のテーマソングも担当されるとのことですが、その経緯を教えていただけますか?

別の番組で尾崎さんと仕事をさせてもらった時に、尾崎さんもすごくお笑いが好きで、地下芸人にまでかなり詳しいことが分かったんです。その時に僕がこういう番組をやっていると言ったら見てくれて、面白かったと反響もいただいて。そしたら、「曲とか作らせてくださいよ」と尾崎さんの方から言ってくれたんです。そこで、僕が「尾崎さん、言っちゃいましたね?」という感じでお願いしました(笑)。

――レギュラー1回目の収録時には、まだ曲が出来上がっていないということを尾崎さんがおっしゃっていましたが、石川さんから曲についてリクエストはされましたか?

あまりしていないですね。収録で番組の雰囲気も感じてもらえたと思うので、そこから出てくるものを楽しみにしています。尾崎さんがどう感じたか知るのが楽しみです。

――尾崎世界観さんはコントにも挑戦されました。ご覧になっていかがでしたか?

尾崎さんはアーティストなので、尖った人というイメージが世間的にもあると思うんですよ。そんな方が電流を食らっているというのは最高でしたね(笑)。

■ “第七世代”という言葉は割と面倒くさい

――石川さんの他の担当番組を教えてください。

他には「ENGEIグランドスラム」も担当しています。

――前回(3月30日放送)の「ENGEI」では、霜降り明星のせいやさんがラジオで発言された“お笑い第七世代”という言葉を、テレビ業界でも早い段階で使用していたことに衝撃を受けました。使用された意図や、この言葉自体の盛り上がりについてどう思われますか?

せいやが発言してからその言葉がネットニュースにも取り上げられたじゃないですか。それで、確かに霜降りと同じ世代の芸人さんは面白い人がいっぱいいるなと思ったので、「ENGEI」に出そうという感じですね。

あと、“第七世代”とかそういう言葉って、誰かが言い出すとくくりとして意外とみんな使うじゃないですか。本当にそれくらいの感覚だったので、正直ここまできたか…と思っています。

――ラジオで言ったことがテレビでも使われ、広まりつつありますもんね。

その後、本(「芸人芸人芸人」[コスミック出版])も出てるでしょ。それはびっくりです。それでせいやも困っていました(笑)。

「ENGEI」では「第七世代ブロック」の企画をせいやに持って行って、こういうのやりますと言ったら、「いや隼さん、大丈夫ですか? これ」と不安がっていたんですよ…(笑)。せいや、ごめん(笑)。

――それくらい使いやすい言葉だったということですね?

使いやすいですよね。でも、やっぱりちょっとややこしいんですよ、何とか世代って。誰が入って誰が入らないという話になるじゃないですか。特に第五世代、第六世代はぐちゃぐちゃ。だから、テレビ局的には割と面倒くさいですよね(笑)。

――それでは、今後、「ウケメン」メンバーに期待することを教えてください。

今はそれぞれの個性から発信しているものが多くて、この人はこれができるからこういうものを作ろうとか。だから、今後はとにかく(メンバーたちの)いろいろな面を見せてもらって、それを引き出していけたらなと思っています。

――番組を作る上で心掛けていることはありますか?

僕は深夜番組を担当することが多いので、“とにかくスカッと笑える”というのが大事かなと思っています。

今のテレビは情報重視と言われていて、ゴールデン番組も結構小難しいものが多いじゃないですか。そんな中で「純粋にお笑いやります」と言うと、「おまえ、何言ってるんだよ」、「コントとか数字とらないでしょ?」ということをやたら言われるんです。

でも、夜、疲れて家に帰ってきたら、皆さん笑いたくないですか?みたいなことはどこかで思っています。だから、そういう気持ちをテレビ風刺としてコントにも込めているんですよね。

――確かに、今、こういうコントだけをやるような番組は珍しいですね。

他にないのが一つの強みだなと思っています。あとはやっぱり僕も含めてですが、皆さん、どこかで“昔のフジテレビを見たいなと思っていないですか?”という期待もあります。(ザテレビジョン)

最終更新:7/13(土) 10:00
ザテレビジョン

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