ここから本文です

純烈のリーダーから見た騒動の裏側「白と黒とハッピー~純烈物語」<第1回>

7/13(土) 8:51配信

週刊SPA!

 ‘18年大晦日に「紅白歌合戦」出場を果たし「紅白に出て、親孝行」という念願が成就。この世の春を謳歌していた、ムード歌謡グループ・純烈。しかしそのわずか9日後に発覚したメンバーの不祥事で事態は暗転、グループ存続の危機に立たされた。

 純烈を結成、リーダーそしてプロデューサーとして苦労の日々を重ねてきた酒井一圭は、元々子役として芸能界にデビューし、戦隊ヒーロードラマなどで名を刻んだものの、その後鳴かず飛ばずとなった過去を持つ。後にプロレスと出会い、実際にリングに上がることで、その表現方法を純烈に昇華させている。その類まれな“人間力”はどこから生まれたものなのか。酒井本人やメンバーの現在と過去を行き来しながら、純烈の裏側を紐解くノンフィクション新連載―――酒井とともに「マッスル」に浸かってきたプロレスライター・鈴木健.txtが緻密な筆致で迫る。

白と黒とハッピー~純烈物語【第1回】

“場外乱闘”がおりなすファンとの距離感
緊張と緩和による色気と触れ合える関係

 日本列島が令和初の猛暑日となった5月25日、ゆりかもめのテレコムセンター駅から「東京お台場 大江戸温泉物語」まで4分ほど歩いただけで汗がにじんできた。入り口を通るとひんやりし爽快な気分となったが、すぐに息を潜めるようにして列を作る集団が目に入った。みな、受付の前でお行儀よくしている。

 この日は14時と19時の二部構成で、館内大広間の中村座にて純烈の「温泉ライブinお台場」がおこなわれる。座席指定の前売券は完売していたが、立見は観覧無料とあり整理券を求めて朝から足を運んだ熱心なファンだった。その数50人ほど。

 純烈にとってこの日の“大江戸決戦”は同所における10回目のライブ。そして、夢の紅白歌合戦出場を果たした9日後に当時メンバーだった友井雄亮の女性に対する不祥事が報じられ、天国から地獄へ落ちたあとに初めてファンの前へ立った場所でもあった。

 あの日――それまで当たり前のように5人いた風景が、4人に変わった。ステージへ出た瞬間の物言わぬ空気の動きを、リーダーの酒井一圭(44歳)は生涯忘れられないという。いつもなら天国へあるお花畑のように笑顔が咲いている客席は、こみあげては抑えきれぬ涙で濡れていた。

 目の前の情景だけではない。畳の大広間に並べられた背もたれつきのイスはいつもなら満席なのに、ポツポツと空いていた。この日は通販番組の収録イベントで、ファンクラブ抽選で当選した者のみが観覧できた。

 足を運べばつらい現実を目の当たりにしなければなるまい。でも、せっかく当選したのにいかなかったら落選したほかのファンに悪い気がするし、何よりも純烈の力になれない。「だから、あの日の空席はつらさに耐えられなかったファンの人たちなんですよね」と、いつもはうひゃうひゃと話す酒井が唇を噛み締めながら下を見つめる。

 5人から4人になった純烈を受け入れる覚悟で身を置きながら、友井のいない風景をいざ目にすると涙が止まらなかった。座るべき人がいない空席も泣いていた。でも、通販番組だから「ここで拍手してください」とスタッフに指示されたら盛り上げる必要がある。「こんなことを俺たちが言うのは本当におかしいんだけれど、笑ってリアクションをとってほしい」と願った酒井の前で、純烈を応援する人たちがそれぞれ自分と闘い、そして頑張っていた。

 楽しんでもらうためのファンに対し、頑張らせてしまった俺ら……酒井は心の中で誓った。「この人たちのために、純烈は絶対にギブアップできない」――。

「昨日は長野にいて、しかも家まで取りにいかなきゃいけないものがあったからいったん自宅に戻って朝ここへ到着したんです。今日も出たり入ったりで……詰め込みすぎだろってなるんですけど、時間的にやりくりできるなら入れてくれって事務所にも言ってあるから」

 前日、公式ブログを通じライブ終了後におこなわれる対象CD&DVD購入者特典撮影会に関し、酒井が不参加になることが告知された。リンクを張ったツィッターには続々とリプライがつき「お仕事の関係であればよいのですが……体調不良ではないかと心配です」といった声が並んだ。

1/2ページ

最終更新:7/14(日) 9:54
週刊SPA!

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊SPA!

扶桑社

週刊SPA!7/30号

¥420

・引きこもり中年の衝撃
・没落する世田谷ブランド
・五輪チケット高額転売の裏側
・社会に出た[元ヤンキー]の光と影

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事