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有森裕子 ハードな運動をする人ほど免疫力低下に注意を

7/13(土) 6:00配信

日経グッデイ

 2019年も早くも折り返し地点を過ぎ、梅雨が明けると真夏へと突入です。同時に、世界的なスポーツの祭典が続々と開催されます。7月12日からは韓国で世界水泳が始まりましたし、9月20日からは日本でラグビーワールドカップ、同27日からはカタールで世界陸上が始まるなど、2020年の東京五輪を見据えたトップアスリートの熱い戦いが繰り広げられます。

 また、9月15日には、東京五輪マラソン代表の座をかけた、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)も東京で開催されます。初の試みとなる選考レースの先に、どんなドラマが待ち受けているのか、私も今から楽しみにしています。どの選手も、ベストパフォーマンスを発揮して、悔いのない走りをしてほしいと思います。

 そんな「ここぞ」という大事な場面で、ベストパフォーマンスを発揮するためには、コンディションの管理が重要です。いくら素晴らしい実力を持っていても、大事な場面で風邪をひいてしまっては、ベストパフォーマンスを発揮できません。ケガに関しては慎重になるアスリートや指導者は多いですが、病気の予防・早期発見という面での健康管理には意識が十分に届いていない人が少なくないように感じます。今回は、「アスリートと健康管理」というテーマで考えてみたいと思います。

ハードなトレーニングは免疫力を下げる恐れが

 普段から激しいトレー二ングを積んでいるトップアスリート(競技者)は、自分は「健康体」であるという意識が大前提にあります。そもそも健康でなければ、自分を極限まで追い込むような激しいトレーニングはできません。そのため、競技レベルを上げることばかりに意識が向いてしまい、病気の早期発見や予防といった健康管理への取り組みが後回しになりがちです。定期健康診断や人間ドックは、大きな目標を達成するまで受診しない、という感覚のアスリートは多いのではないでしょうか。

 ハードなトレーニングを積み、強靭な肉体を持つアスリートは、免疫力が高いイメージがありますが、実はそうとも言えないようです。適度な運動であれば免疫力は高まりますが、過激な運動をすると、上がるはずの免疫力がかえって低下し、風邪をひきやすくなるという研究結果もあります。体が受ける直接的なダメージに加え、結果を出さなければならないプレッシャーがストレスとなって自律神経を乱すなど、複合的な要因から免疫力が低下すると考えられているようです。ハードなトレーニングを積んでいるアスリートほど、自らの健康状態を過信することなく、普段から健康管理を意識する必要があるのです。

 同じことが市民ランナーにも言えます。トップアスリートのような激しいトレーニングをしていなくても、仕事や家事による肉体的・心理的な疲労とトレーニングによる疲労が重なって、気づかぬうちに免疫力が下がっている可能性は十分に考えられます。そんな時に無理をすれば、体調を崩すことになりかねません。

 特にフルマラソンを走った後は、注意が必要です。通常のトレーニング以上の距離を走れば、それだけ体への負荷は大きくなりますから、全身の体力が消耗し、免疫力は低下しやすくなります。

 レースに出場して体調を崩し、日常生活に支障をきたしては、それこそ本末転倒です。レース後は体を冷やさないようにし、休養日(レスト)をしっかりとって、念入りなストレッチで体をほぐしながら、バランスの良い食事や睡眠をしっかりとって体調の回復に努めましょう。

●「セルフチェック」と「定期健診」で自分の体を観察する

 アスリートが健康を維持するには、普段から自分の体調に気を配る習慣を持つことが大事だと思います。例えば、私が実践しているのは「毎日、体重を計って記録する」習慣です。起床後、鏡で全身をチェックしてから体重を計り、その数値の変動で体調を把握しています。「なんだ、そんな簡単なことか」と思われるかもしれませんが、これがけっこう健康管理に役に立つのです。毎日測り続けると、体調のいい時の体重を知ることができます。その体重を維持しようと意識すれば、自ずと日々の生活習慣を正そうというモチベーションにつながっています。

 ポイントは計測時間を一定にすること。そうでなければ、正しい判断はできません。食事後や運動後に計っても、その数値の変動は食べ物やかいた汗のせいであることが大きく、正しい体重は把握できません。

 体脂肪が同時に計測できる体重計があれば、体脂肪の数値や、食事の内容、体調や気分なども日々ノートや手帳に記録しておくと、体調が崩れるときの自身のパターンが見えてきて、予防や対策につながります。

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最終更新:7/13(土) 6:00
日経グッデイ

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