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タレント不祥事で続出する『VTRお蔵入り・再編集』、戦うテレビマンの舞台裏

7/14(日) 13:30配信

週刊女性PRIME

 ここ最近、“闇営業”などの不祥事によりテレビタレントが出演する『VTRがお蔵入り・再編集』が相次いでいる。放送直前になって急遽、VTR差し替えを余儀なくされるテレビマンたちの知られざる奮闘とは──? そんな疑問に『世界の果てまでイッテQ!』など人気番組を多数担当する放送作家・鮫肌文殊が答える。

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 令和がスタートしてタレントさんの不祥事による出演VTRのお蔵入りや再編集が相次いでいます。

 例えば闇営業モンダイ。渦中の人となった宮迫博之さんが出演していた『アメトーーク!』の「ネタ書いてない芸人」の回が急遽再編集され、番組MCとして収録に参加していたはずの彼がまるでそこに居なかったかのように全面カットされていたことは皆さんの記憶に新しいと思います。

 バラエティの場合、1台のカメラのみで収録しているなんてことは基本無いのでそんな神隠しみたいな再編集が可能なのです。

 私も過去、3人のタレントさんが司会を務めるスタジオバラエティ特番で、なかの1人にドロ沼不倫が発覚し、今回のように急遽再編集をしなければならない事態に陥ったことがありました。とは言うものの我々放送作家はこんなとき、何の役にも立ちません。編集をやるのはディレクター。その時もMCの3ショットを撮っているカメラの画を極力使わず、1人1人のリアクションを押さえる用のカメラの画を多用して乗り切っていました。

 こんな時、もうひとつ秘密の編集テクニックがあるのです。

「ブローアップ」

 撮影した画面の一部を拡大してそれを全画面にすることの編集用語。

 この場合、事件を起こしたタレントさんが向かって左側の立ち位置だったため、MC3ショットの画面を拡大し、事件を起こしたタレントの画の部分をカット。まるで2ショットのように見せました。拡大しているためどうしても画質は落ちるんですが非常事態なのでそんなことも言ってられません。この人が真ん中の立ち位置だったら絶対に無理な芸当でした。

 でもバラエティはまだ再編集や最悪お蔵入りで対応出来ますが、連続ドラマの場合は無理でしょうね。代役を立てて不祥事を起こした人以外でもう一度集まってもらい撮り直しに。ピエール瀧さん逮捕を受けてのNHK『いだてん』のスタッフの心中察するにあまりあります。悔しかっただろうなあ。

 いまふと思い出したんですが、大昔、あるロケバラエティで、ゲストのタレントさんがロケ当日の朝に突如高熱を出して病欠。ロケ中止になりかけた際、たまたま私用で事務所に顔を出していた出川哲朗さんを番組プロデューサーが捕まえ出演交渉。急遽午後からのロケに参加してもらい無事ロケが成立したことがありました。

 哲ちゃんが今みたいな超売れっ子になるはるか昔、まだ売出し中のヒマヒマ若手芸人だった時代。でもこんな風に世話になったら、スタッフは一生忘れませんから。その後も哲ちゃんを使い続けたことは言うまでもありません。最後は出川哲朗ちょっとイイ話でございました。

<プロフィール>
鮫肌文殊(さめはだ・もんぢゅ)
放送作家。’65年神戸生まれ。古舘プロジェクト所属。『世界の果てまでイッテQ!』など担当。渋谷オルガンバー「輝く!日本のレコード大将」(毎月第2金曜日)新宿ロックカフェロフト「トーキョー歌謡界アワー」(奇数月開催)などでの和モノDJ、関西伝説のカルトパンクバンド・捕虜収容所のボーカリストなど音楽活動も数多い。

文/鮫肌文殊(放送作家)

最終更新:7/14(日) 13:30
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